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トップページ » ヨシ » 極端学のすゝめ ~セフトを4枚入れてみる~

代々木ではいろいろな人と話せたのですが、試合後の夜、ボードゲームを終えた25時頃にヌーンさんとブック構築論を交えたのはとても楽しかったです。試合直後でもないのに、ああいうコッテリしたカルド戦術論を交わせちゃうキャラクターは貴重です。ぜひまたお話したいです。

さて、そこで話題に上がったのはセフトの採用枚数について。ヌーンさんは大量に入れるべきカードではないとの主張でした。Twitterでも似たようなことを仰っていたので引用してみます。

なるほど確かに、リボルトポッセでセフトが入ってくるブックを検索すると全体の1割程度、そのなかの30ブックほどを無作為に見てみましたが、3枚以上ブックに入れている人はいませんでした。正しいかはさておき、一般的な感覚ではあるようです。

そこに対して、その場でも反証を試みましたが、なかなか話が折り合いませんでした。(合意形成を目的とした会話ではなかったので当然かもしれません)最近、Twitterでもこの手の話題を目にするので、この機会に私の主張をまとめておこうと思い、本エントリーを書きました。

題して「極端学のすゝめ」

本稿で述べたいのは「そのカードが有用かどうかを語るのではなく、環境に必要なカードを必要な枚数採用せよ。その検討の過程で、極端なブックやレギュレーションに触れることは有用である」という主張です。

5段階評価は強さを表さない

カードゲームやボードゲームなどでよく見るのですが、カードの強さを5段階評価することがあります。前作のカルドセプト3DSのブック登録サイトCepter’s Noteでは、各セプターのカードレビューを5段階評価を交えて読むことが出来ます。個人的にhsuさんのレビューが好きでです。

しかし、5段階評価は当時から全く当てにしておりませんでした。もしも5段階評価が強さを表すのであれば、常に強いカードを採用すれば良いはず。しかし、現実としては、マップやレギュレーションによって作られるブックは多種多様です。ということは、カードに対して絶対的な強さの評価をすることは出来ないと考えるべきです。

当たり前ですが、カルドセプトではマップやレギュレーションによって有用なカードは変わってきます。そう考えると、5段階評価のような方式は、カードの絶対的な強さではなく、有用なシーンの多さ、すなわち汎用性の高さを表しているのです。

汎用性はゴミ箱に

汎用性の高いカードというと、何があるでしょうか。クリーチャーであればG・ノーチラスやティアマト、アイテムであればウォーロックディスク、スペルであればギフトやマジカルリープなどが挙がりそうです。これらを適当に入れてみると、なんとなくどこのマップでもそれなりに回せそうなブックが出来上がります。

それ、紙の束です。ゴミです。

いや、ゴミでもそれなりに勝てちゃったりするのがカルドセプトの悲しいところなんですけどね……。

対戦をしようとしている今、あなたの目の前にはレギュレーションが示されているはずです。それによって入れるべきカードは全く変わってくるはずです。

極端な話、レギュレーションに「一番最初にミノタウロスを配置したプレイヤーが勝利する」と書いてあったのであれば、ミノタウロスの価値は5段階評価の下馬評なんてうっちゃって最強になりますし、各種ドローカードの価値も高騰、普通の対戦ではまずお目にかからないポイズンマインドもミノタウロス破壊目的で入ってきてもおかしくありません。

どのカードを採用するかは、そのレギュレーション下の強さのみを考慮して決めるべきです。Aというマップで対戦するときに、他のすべてのマップでどれだけ有用であろうとも一切関係ありません。

なので、セフトを何枚入れるかという議論よりも、どういうレギュレーションでセフトが何枚必要なのか、という議論をするほうが有意義であると主張します。

余談ではありますが、マップの特性を掴むためにブックを仮組みしてみるだとか、「マップをランダムで行う」「複数のマップ、レギュレーションを、同じブックで戦わなければならない」といった特殊な対戦会でもあれば、こういうブックを作成することも合理的なシーンもあるかもしれません。

極端学のススメ

さて、じゃあレギュレーションに見合ったカードを選んでみましょう。それを50枚。はい、最強ブックの完成です。

……となれば話は早いのですが、なかなかそれは難しい。ブックを一つ組み上げるのに、アレが良いかな、コレが良いかも、と試行錯誤するのは楽しくも大変な作業です。レギュレーションの特徴を正しく見極め、必要な要素とそれに見合うカードを採用するためには膨大な知識が必要となります。一朝一夕で身につくものではありません。セプターは、永いゲーマー人生のなかで少しずつこの能力を高めていくのでしょう。

では、どうやってこの能力を高めていくか? その手段のひとつとしておすすめなのが「極端学」です。

これは私がさっき思いついた造語です。極端学というのは、極端なレギュレーションのもとで有用なカードを考えたり、特定のカードが有効になる極端なレギュレーションを考えることで、カルドセプトへの理解を深める高尚な学問です。

先日ぬくたろうさんとぱんださんがTwitterで面白い極端学をしていたのでちょっと紹介してみます。

これ、良いですね。特にぱんださんの6枚ブックは面白い仮定です。いわゆるブック事故が起き得ない。Twitterでは地(セージあたりがおすすめとか)、火、水、風クリーチャーを1枚ずつとアセンブル2枚というブックはどうか、なんて話が出ていました。確かに、初手から確実にアセンブルを2発決められます。

こうした極端なレギュレーションについて真面目に考察すると、カードの特徴に理解が深まります。

90000G対戦やタイマンやランダム同盟なども、極端学にはもってこいの題材です。90000G対戦については拙作の「データと経験から考える90000G攻略 」、タイマンについてはボイラーズさんの「リボルトタイマン攻略~基本編~」、ランダム同盟についてはカイチさんの「【攻略】同盟戦について(改訂2版)」がおすすめのテキストです。未読のかたは是非御覧ください。旧作のテキストも含まれますが、どのテキストも本作に応用できると思います。

また、カルドセプト3DSの公式大会「王女杯」も絶好の極端学の題材になり得ます。1位を取ると100ポイント、4位だと50ポイント。そこまでは別に良いのですが、勝っても負けても1戦すると1ポイント加算されるというルールのため、とにかく短時間で試合を終わらせるインセンティブがある大会でした。そのレギュレーションを踏まえたhsuさんの怪作ブック「ヨモツヘグイ」の解説は必読です。これについて詳しく知りたい方は、オフでヨシに尋ねてくだされば知っている限り解説します。

カード側からみる極端学

極端なレギュレーションに対してカードを考える例としてはそんなところですが、今度は逆に特定のカードが強くなる(または弱くなる)レギュレーションや環境があるのかも想像してみました。いくつか紹介します。

ギフト

ギフトの強みは、カードを4枚と大量に引きうること、魔力収入を得られることです。

大量にカードを消費したり、走ったりしない、遅い殴りブックなどではギフトは強い効果を発揮します。また、魔力収入が少ないマップでもありがたい存在です。仮に5人戦があったらぐぐっと強まりますね。極端学を行うときには、こんなありえない仮定でも想像すると、発想が開けたりします。

次に、弱くなるシーン。上記とは逆に、トップスピードで走り続けるブックとは若干相性が悪いでしょう。タイマンや同盟戦でもカードがドロー出来ずに弱いです。また90000G対戦会のように、収入が極めて多くなるようなレギュレーションでは、魔力収入のメリットは相対的に弱くなります。その場合、収入は無視しても安定した枚数をドローできるホープや、多少コストが高くてもたくさんカードをドローし得るリンカネーションのほうが強くなるかもしれません。

マジカルリープ

マジカルリープの強みは選択肢です。どこに止まって配置・侵略するか、どこに止まっていくら支払ってトランスするか、次のターン進行方向をどうするのか。この選択肢の広さがマジカルリープの本質です。

この選択肢を確保できないレギュレーションでは、マジカルリープは弱いです。例えば、1周32歩の1本道マップデュプリシティでは、マジカルリープをして飛べる土地は、必ず8つしかありません。ゲートが4種類もあるので、マジカルリープによるショートカットもしにくい。選択肢の広さが発揮されないと言えるでしょう。

逆に、交差点が多いマップや、司令塔に止まりやすいマップでは、マジカルリープによって配置や侵略の選択肢が一気に増えます。カオスパレスの宝石屋の隣の交差点モーフ土地からマジカルリープすると、着地できる土地は20個にも登ります。なんと、止まれない土地のほうが少ないんですね。こう考えると、選択肢の幅が広いことの強さを実感できます。また、上記の主張とは逆説的になりますが、1本道マップのようにクイックサンドが流行るマップでは、回避のためのマジカルリープが価値を持つことがあります。

ランドドレイン

ランドドレインの効果は、乱暴に分けると以下の4つの効果があります。

  1. 自分の魔力を増やす
  2. 相手の魔力への干渉
  3. (2)によって起こる選択肢の制限
  4. 保持効果

1と2は解説不要でしょうから省略します。3は、相手の魔力を減らすことによってカードを行使できなくしたり、土地売却を強要したり、収入目的でドレインマジックを撃たざるを得ない状況に追い込んだりする効果です。4は特に場に複数枚のランドドレインが提示された際に顕著に発揮する「土地を取らせない効果」のことです。

1と2が強くなるのは、敵セプターがたくさんの土地数を確保する状況が続くマップ、単純に広いマップが挙げられます。逆に土地が8つしか無いマップが仮にあったら絶対に採用されないカードです。

3は、相手の手持ち魔力を少なくすることで発揮される効果ですので、現金がなくなりがちなマップでは効果を発揮すると言えるでしょう。仮にゲートとゲートの間が30歩くらいあったら、ランドレ2発も撃たれたらスペル打つお金もなくなり延々歩くだけになってしまうかもしれません。また、ゲートボーナスが少なく、現金収入を得る仕組みがないマップでも効果が高いと言えます。カオスパレスのフラットなんかは、ボーナスは少なく属性石での増幅も出来ないので、ランドドレインが強そうです。

4は、複数枚のランドドレインが場にあると発揮されやすい効果です。敵セプターがランドドレインを入れていると知っていたり、ショップでランドドレインが売っていたりしたら、自分の手の中にあるランドドレインの効果は高くなります。また、相手がこのランドドレインの保持効果を理解している(一緒に保持してくれそう)場合も、ランドドレインの価値が高まります。

セフト

さて、本稿のきっかけにもなったセフトです。

セフトは相手の選択肢(スペルカード)を減らし、自分の選択肢を広げるカードです。その代償に、100Gと高いコストを要求されます。

まずコストが高い件について。ギフトの項でも述べましたが、魔力の多寡に関する問題は、供給がオーバーフローすると問題なくなります。90000G対戦であればセフトは実質無料です。収入が多いマップやブックであればセフトを支える屋台骨があると言えます。

また特定のスペル(特に保持することが多いスペル)が極端に強い環境下でも、セフトは効果を発揮します。昔カルドセプト3DSには、ソルティス(G200を得る:配置クリーチャーと属性の同じレベル3以上の火水地風領地を持っていた場合、さらにG1000を得る)というとんでもEカードスペルが存在しました。ソルティスありの対戦を1度だけやったことがありますが、セフトで取ってきたセフトで、ソルティスをセフトしたりしました。特定のスペルカードに特別な意味がある場合のセフトはとても強力です。

極端学の知見を実践に活かす

いくつかの極端学の内容を紹介しましたが、この中でセフトに関する知見については代々木リボルト2018のバトルワゴンのブック構築に役立てていました。

私のバトルワゴンについての考察は前エントリー「カルドセプト代々木リボルト2018~バトルワゴン~ 」を御覧いただきたいのですが、ざっくりまとめるとこのマップは以下のような特徴があります。

  • 魔力は多めに得られる
  • 魔力が入るからレベルアップは早くランドトランスの機能時間帯も早い
  • 見た目よりずっと狭い
  • クイックサンドは強そう
  • マジカルリープで自分だけ別の輪っかに展開する「抜け駆け」が非常に強い

これに、極端学の知見を照らし合わせてみます。魔力が多く得られて、クイックサンド回避や抜け駆けに使えるマジカルリープはとても重要であり、手順の進展にスペルのランドトランスが大きく影響する。お金が入ってきて、特定のスペルが強い。ということは……。

「バトルワゴンはセフト4枚!」

と、言い出したのがウチの師匠こっきゅんでした。ふざけんなと思う一方で、この一言を聞いた瞬間に本稿のプロットが出来た気がします。

そして実戦に向けてチューンナップしたブックがこちら。

二重星雲 - yoshi_gmgn
リビングアムル2ウォーロックディスク2アースシフト3
ウッドフォーク1スパイクシールド1ギフト4
グレートタスカー3スフィアシールド1セフト3
シルバンダッチェス2スペクターローブ1ドレインマジック2
スクリーマー2マグマアーマー1ホーリーワード82
セージ2マグマシールド1マジカルリープ4
ドリアード1 マナ2
ランドアーチン4 ランドトランス2
ロックトロル3
ワーベア1
クリーチャー21アイテム7スペル22
ブック名は(フタエネビュラ)と読みます。
2018/10/07の代々木で使用して2戦1勝。

マジカルリープは当然4枚ですが、それでも足りません。セフトは基本的に自分と同じ下の輪っかに抜け駆けしようとする火か地ブックの人に当てていきます。特に初手でクリーチャーとセフトを引いていれば、1ターン目に即マジカルリープをセフトしても良いと思っています。何度かセフト4で回したのですが、流石にスペルターンと現金への依存が大きすぎたので、3に落としました。

いくら現金が出やすいマップといえど、90000G程は現金収入は期待できないため、セフトの重さを支える現金収入手段が必要と考えました。ランドドレインなども考えたのですが、セフトやマジカルリープを保持することを考えると手離れの良いスペルを入れたほうが良さそう。というわけでマナが2枚。

極端学がぎゅっと詰まったブックの完成です。バトルワゴンは、代々木で2戦1勝、大会前のスパーの最新10戦の戦績を数えてみると10戦5勝でした。うむ、なかなか。さすが、AI化してしまうという極端に不利な状況になっても戦えるスーパーブック!

カルドセプトに幅を持とう

極端学のすゝめ、いかがだったでしょうか。カルドセプトにおいて、汎用性の高いカードはついつい手癖でブックに入れがちです。そうなると似たり寄ったりののっぺらぼうなブックが出来てしまいます。せっかくたくさんのレギュレーションがあるのに、それじゃあもったいない。

ヌーンさん、やっぱり私はあのときの主張は曲げないです。セフトは”一般的には”多く入れるべきでないカードではあると思いますが、それはセフトを4枚入れない理由にはなりません! 別に私はセフトが好きな訳ではないし、セフトを1枚しか入れないのが悪いと言っている訳でもありません。しかし、こういうカードだから1枚しか入れないというセフトよりも、ヌーンさんが「こういうレギュレーションに対して最適だから○枚入れよう」と判断した理由ある研ぎ澄まされたセフトを喰らいたいのです。

今回の代々木リボルトの検討中に、チームメンバーがとあるブックを見せてくれた事がありました。非常に極端な環境に適合したブックで、見た瞬間鳥肌が立ったのを覚えています。ああいう感動がもっともっと生まれることを願って本稿の結びといたします。

来年4月27日にはラストリボルトが開催されます。まだ手垢がついていないラクーンで対戦するラストリボルトでは、舌を巻くような素敵なブックが見られますように、そしてそのブックをボッコボコにできるブックを極端学を活かして作れますように!

余談:汎用でなくてもよいが妥当である必要はある

非常にダブルスタンダードっぽい話なのであまりしたくないのですが、汎用性も無視してはいけません。検討の優先順位を決めるには、有効な場合もあるからです。

たとえば、代々木リボルト2018優勝者のひろよしさんは、決勝のブックにアネイマブルを入れていましたが、これを見て「アネイマブル4枚積みの極端なブックを作ってみよう」と思う人はいないでしょう。(いたらすいません……)アネイマブルはあまりにも汎用性が低く、そこを検討しても有用な戦略が出てくる可能性は非常に低いと思います。俺はやらない。

汎用性が高いということは、勝敗に影響するケースが多いということであり、そこを検討したほうが大きなメリットを生む可能性は高いです。汎用性の高さが妥当性を担保すると言えます。

この手の検証検討には手間暇がかかり、プロセプターとうそぶく私でも片端から検証していく時間を確保することは出来ません。汎用性の高そうなカードから極端学にかけてみるというのは、ある種合理的な判断とも言えます。

この記事への反応

  • yoshiyoshi (2018年10月31日)

    余談も余談ですが、あまりにもヌーンさんに対する指向性が高いテキストになってしまったため、ヌーンさん本人に「こういうテキスト公開しても良い?」と事前に確認したところ、快諾頂いたついでに、バトルワゴンにブックについて作成意図を伺うことが出来ました。当然ですが、私と全く違う視点で大変おもしろかったです。御本人には「是非ブックの解説記事書いて!」とお願いしておきました。期待してまーす!

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