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 はじめまして、ヨシと申します。え、知ってます? あら、それは光栄に存じます。

 代々木が終わり、カルドセプトが終焉を迎えたので自己紹介をします。部長の自己紹介結構好きだったので、パクることにしました。

いかにして、私はカルドセプトに狂っていったのかを語って参ります。

はじめの一歩 タピオカ達

 小学校時代は、まあいじめられてました。

 アラフォーになって今更ヘラってしまうほど弱くはないけども、小学生の身空で一人で生きていける程は強くありませんでした。当時は小学校っていうコミュニティーしか持っていなかったので、苦しかったのを覚えています。敵が幅きかせてるところで生きていかなきゃいけないっていうのは、ヨシ少年を蝕むのには十分すぎるほどヘビーでした。

 それを救ったのが中学校のときに出会ったタピオカ、板前らが属しているコミュニティーでした。本当に、ただタピオカの家に集まって、犬を皆でなでたりしてただけなんですけどね。後はちょっとPCでフリーゲーム(シルフェイド見聞録とかひとかたとか)をダウンロードしたり、電撃PlayStationの付録を遊んだり(金が無いから体験版をしゃぶってました)、泊まり込みでトマランナーやったり(令和のトマランナー99とか出してくれ)、スターオーシャン派とテイルズ派でケンカしたり(テイルズだけテーマソングあってずるい)、ジョジョ3部の格ゲーでマライアとホルホースばっか使ったり(漫画より先にゲームやったからミドラーが漫画に出てこなかったの驚いたのを覚えている)、一緒に最寄りのブックオフまでチャリ漕いでスターオーシャンのアンソロ本買ったり(魔神ぐり子)。生産的なことはなんもしてない。でも、彼の家はまるで部室のようだったことを覚えています。

 カルドセプトに出会ったのもそこでした。当時はプレイステーションのエキスパンションプラスを一緒にやっていて、デコイにクレイモア持たせてドーン!!! がとても楽しかったのを覚えています。令和のセプターは想像もつかないでしょうが、平成セプトでは相手がブック編集しているときに、みんなで壁際の本棚に向かって正座しながら漫画を読むのがマナーだったんですよ。

 そのグループの中心だったタピオカは、いわゆるクラスのスクールカースト上位の人気者とかそういう感じではないのですが……、あれ、なんでアイツいつも人だかりの中心に居たんだっけ。優しさが鬼なのはそうなんだが、あの優しさってどっちかっていうと成長過程で獲得したスキルな気がするんだよな。なんでだっけ……。まあ友人なんてもんは、なんで仲良くなったのかがあんまり覚えていないもんなのかもしれません。

 でも本当に助けられたな、というのはありありと覚えています。タピオカ、板前、あとあんまりSNSやってないもう一人の友人に私を加えた4人はおっさんになってもつるんでいるのですが、彼らに会わなかったら俺の人生は立ち行かなかったかもしれない。もはやこれは性愛を伴っていないだけで、愛していると言っても過言ではない。LOVE。だから、俺抜きでタピオカとこっきゅんが遊んだ話とか聞くとスゲーむかつきます。俺が先に好きになったのに! 私のオタク、ゲーマー、ギークとしてのベースを作ってくれた彼ら3人と私とで未だにつるんでいられるのは僥倖というほかありません。お前らがいるからウマ娘が楽しい……。万が一にも途切れることがないように、丁寧に、誠実に友人関係のメンテナンスを続けていく所存です。今年も一緒に競馬場行ってすってんてんになろうね……。

しかし遊びは遊びだった

 しかし、タピオカは本当に広く浅く(今考えればあんま浅くない気もするが……)オタクをやっており、ヨシはそれのご相伴に預かる生活をしていたので、何か対人戦をやり込むっていうこともまたしていなかったんですよね。まあネット対戦が一般的でなく、当時中学生だった我々が対人戦の場に出るということも難しかったですし。4人の中でガラパゴス的に強いセプターが育まれ……、なんてこともなく過ごしていました。真剣勝負にならなかったんですよね。

 ヨシが学生時代に最も対人戦で努力をしたゲームは多分麻雀です。当時の『科学する麻雀』を読んで、他の麻雀のノウハウ本と一線を画する熱量がこもった本を読んで「遊びにこんなに本気になっても良いのか!」と感銘を受けたのを覚えています。実に美しい本です。みんなも買おう! 今から買うなら令和最新版を買おう!

 そんなこんなで、雀荘(当時は東風荘くらいしかネット麻雀がなかったので割と雀荘が身近な存在だった)に行くときには常に科学する麻雀を持ち歩き、折に触れて打牌の正しさを確認するという生活は結構楽しかったです。しかし、マーカーでぐちゃぐちゃに書き込みをされた私の『科学する麻雀』を見た先輩に言われた一言が、冷水のように頭にこびりつきました。

「何その書き込み!? 麻雀でそんながんばらなくていいじゃん!?」

 えっ、そうなの? みんなこれくらい頑張るんじゃないの?

 考えてみれば、科学する麻雀の異常な熱量にあてられて麻雀を志したので、基準が異常になるのは当然でありました。普通の人は「その場の判断」というなんとも根拠のない蒙昧な判断基準に基づいて、気分によってベタオリしたりしなかったりしているのである! そう、所詮ゲームは遊びだったのだ!!

 そうか……。普通は「科学する麻雀のベタオリ表ではものたりない!」とか言って、ベタオリ表詳細バージョンを作ってプリントアウトして暗記したりしないのか……。

 そうして私の対人ゲームの熱は、一旦急速にしぼんでいくことになります。オタクカルチャーに触れ続けていればMTGとかで遊ぶタイミングもありそうなもんですが、大学には全然そういう感じのメンツがおらず、私自身も「オタクってもしかしてダサい!? このままじゃモテない!」みたいな迷走をしている時期で、カードパック買うぐらいならこのカッコいい花柄のシャツを買うぜ! みたいな生活に傾倒していきました。松ぼっくりみたいな茶色いバラが総柄になってるイケイケシャツ買ったことは後悔していませんが、サブカルチャーから離れて過ごしてしまった数年はもったいなかったなあって思います。オタクだからモテないんじゃないよ、俺は。そこじゃねんだわ。

 まあ、勝負事を生業にする勇気も才能も努力量も確保できていない自分が悪かったのですが「頑張って遊ぶ」という価値観に共感してくれる人が居なかったのは、うっすらと寂しく思っていました。

 

セカンドインパクト セプト部部長

 地元を離れて就職してからキングオブ友人居ないマン(余談だが、現在就職してから15年以上経ったがマジのマジで仕事とゲーム以外で連絡先交換した人が妻の義両親以外だれもいない。誰もだ!!)と化したので、ペルソナ4️を延々擦っていたら、なんか懐かしのカルドセプトがDSにも出ているという話を聞きました。どれどれとググってみたら、なんか変なサイトが出てきました。DSセプト部……? なんか、日記とかいっぱいあって面白そうだな……。また俺も始めてみようかな?

 「また」というのは、過去に自分が日記メインのテキストサイトをやっていたからです。なおその時は漢字でものすごくイケイケでカッコいいハンドルネームを使っていました。マジクソカッコいいです。そのままアトラス*ヴァニラウェアの新作ジュナイブルRPGの主人公になってもおかしくないくらいカッコいいです。死にたい。あの頃のヨシは未熟者でしたが「次は人前で名乗っても恥ずかしくないハンドルネームにしよう!」と反省できたことは今でも誇らしく思っています。ウェザリング(笑)。

 令和のセプターはピンとこないかもしれませんが、2000年くらいにインターネッターだったオタクは例外なく自分の日記を、自分のHOME PAGEを作って公開していました。もちろんカッコいいハンドルネームで! 一切の例外はありません。やってないって言ってるやつは全員嘘をついています。30代中頃以上のオタクは、自分でHTMLが打てるし、キリ番踏み逃げ禁止だし、Sorry This Page is Japanese Only(なぜか自分のクソみたいな日記を海外から見に来る方がいるに違いないと信じて「日本語でしか書いてなくてごめんね」という意味で皆こう書いていたのだ、狂気の沙汰である)なのです。

 マジで狂気だよな、と思ってなんとなくEvernote攫ったら自分の日記を保存できてしまっていました。オーマイゴット。黒歴史を保管するな。興味のない方はマジで読み飛ばして良いですが、せっかくなので保管している中で一番サムかった日記をここに引用しておきます。これは14年前に、GP山形(部長の家にセプターが何十人も集まって泊まり込むという狂気のオフ会)の直前に書いた日記です。

 前髪が伸びDSの画面が見にくくなってきたので、6年ぶりくらいに床屋を変えて散髪してきた。

 

 高校生3年の夏、いわゆる大学デビューを試みてギャッツビーの「安かろう固かろう」みたいなスーパーハードなワックスをつけてバリバリだったあの頃。いつものように実家最寄りの「ファミリー美容室 ヘア佐々木」に行ったら、シャンプーもされずにカットされて以来、私は散髪が怖いのである。ハードなワックスたっぷりついてる状態の髪にくし通そうとするとか何なの。まるで漁師が網を引くかのごとく、私の髪にくしを通そうと引っ張るおばさん。痛い痛い、引っ張らないで。首もげちゃう。

 

 そんなわけで散髪の恐ろしさを垣間見た私は、戦々恐々とよさげな散髪屋を探した。何件か回り、大学1年になってようやく満足できる床屋を発見し、スーパーシャレオツ好青年に大変身した訳である。キリッ。

 

 いままで都合6年ほどそこで散髪していた訳だが、すごく気に入っていた。床屋だったので、ひげそり、眉剃り、えりあし剃りが丁寧で、雰囲気が素敵。店長さんが眼鏡に詳しくて「あれ、君のそのメガネジャポニズム(眼鏡のブランド)だよね? 俺も持ってるよ!」とか声をかけてくれる。なんと居心地が良いのだろう。

 

 しかし、その床屋は仙台。私の就職先は福島。車で1時間半ほどかかってしまう。今までなんとか帰省に合わせて髪を切ってきたが、タイミングが合わなくて髪がメデューサみたいになってしまうこともしばしば。今回も髪は伸びたが帰省の予定が無く困っていた。しょうがない、そろそろ潮時か……。床屋を変えよう。

 

 しかしいざ変えるとなると、これがまた結構面倒くさい。

 

 まず、どこが良いのかがわからない。「福島 床屋」でググったところ「パウダーイーターでも増殖したのかよ!」っていうくらい検索に引っかかってきた。一軒一軒精査するほど暇じゃないぞ……。仮にも体の一部に刃物を入れるという行為を依頼するのだ、きちんとしたところに依頼したいが、WEBサイトを見ただけではよくわからない。最悪カットがいくらかかるのかさえ分からないオシャレ過ぎるWEBサイトもある。なんなの、馬鹿なの。そんなだから私みたいに予約の電話をしたら「すいません、当店は女性限定になっておりまして(笑)」という心ない言葉を浴びせられ、心に傷を負う少年が後を絶たないのだ。頼むからお前らフラッシュバリバリ使ったサイト作るの止めてください。

 

 さらに今までは「いつもので」と言うだけで良かった。お姉さんが「はいはーい」と言ってくれて、自動的にスーパーシャレオツショートにしてくれるのである。その間、私はお姉さんの「ヨシ君今日は何か面白い話無いの?」という無茶振りに応えるだけの簡単な作業をこなせば良いのである。このヨシのボイチャ力をもってすればたやすい。

 

 だが今回からはそうはいかない。入店してから、店員が「今日はどうしますか?」と聞いてくるわずかな時間の中で、店頭に置いてある『2010モテ髪セレクション秋・冬ベスト400』みたいな雑誌から写真を見つくろって「この写真よりももみあげもうちょっと残す感じで」とか言わなければならないのだ。難易度高すぎる。さらに写真が芸能人の写真だったりすると最悪である。店員はきっと「何、こんな感じでカッコつけたいの? 玉木宏意識しちゃったの? 髪型は同じでも顔はそうはいきませんがよろしいですか(笑)」と思うに違いない。最悪だ。

 

 散髪中の会話も気を使わなければならない。前の床屋では、もう俺はオタクキャラを確立していた。セプト部に所属していることも話してあるので、オタク的自虐トークで笑いを取れたのである。

 

「ヨシ君、最近どこか行った?」

「えーと、オフ会で東京行ってきましたね」

「でた、オタクwww」

「しかも主催です、サーセンwww」

 

 しかし、床屋を変えると、自分のキャラを1から説明しなくてはいけない。空気が読めないことで定評のある私でも、初対面でネットやらゲームやらの話を持ち出すほどアクティブではないのである。いざ、話を振られてもかなりぎこちない感じになってしまう。

 

「ヨシさん、休日とかは何をやっているんですか?」

「1日ゲームやってますねー」

「へー! 私も結構やるんですよ!どんなゲームやるんですか?」

「え、か、カルドセプトって言うんですけど……(言っちゃった恥ずかしい!)」

「え? カ、カル……え?」

「あの、なんというか、人生ゲームとか、モノポリーみたいな……」

「え、モノポリー? 何ですか?」

「いや、こうスゴロクとカードゲームが混ざった」

「……?」

「えーと、うん。アレです。ファイナルファンタジーです」

「あーそれともだちんちでやったことありますー!」

「そうですかアハハ(リア充爆発しろ)」

 

 どこまで行っても、私はお洒落さんとは相いれない存在なのだと痛感して帰ってきた。超疲れた。どうしても今週中に髪を切りたかったとは言え、こんな無理はするものではないな。リア充的空気に汚染された体を清めるため、今日は長めの入浴とGPアリーナ4をしようと思いながらこの日記をしたためている秋の夜長である。

 

 まあまとめると「ヨシはそんな無理を通してでも髪を切って万全の状態で臨みたいと願うほどGP山形が楽しみで仕方がない」ということなのである。今日の夜ぐらいに出発しても良いんじゃねえかな、部長もう行っても良い?

 まあこんな感じで「自分のテキストが面白くて仕方がない!」という自信に満ち満ちている感じがたまらなくウザいですよね、でも2000年代からのオタクは全員こうなのだ!(断言)

 話が逸れに逸れましたが、当時のセプト部の皆は程度の差はあれどこういうのを書いていたのです。テキストベースのインターネットライフを送ってきていた私には、非常に親和性の高そうなコミュニティでした。どれいっちょ登録してみようかな。ほんで俺のスーパーユーモアセンスでもっておもしろ日記をかいてやるぜ! 世界のナベアツとディーダムをかけたエキセントリックギャグをな! そんな感じで抱腹絶倒な日記を何本か投稿したところ声をかけてくれた怪しいおじさんがいました。ウェザリング部長……? なんだこの人。

 それが部長との出会いでした。

 出会いとは言っても、せいぜいCMS(今で言うところのカルスタ)で顔を合わせたときに遊ぶ程度ではありましたが、楽しかったのを覚えています。

 とはいえ、所詮はインターネット上の友人でしかありません。2000年代にインターネットやっている人たちは、2ちゃんねるくらいのガラの悪さが標準とされていたので、ネット上の怪しい人には絶対に会ってはいけない! と思っていたのですが、あまりにもカルドセプトが楽しすぎたためにaduさんの仙台オフ会にノコノコと顔を出してしまい、部長と初遭遇。そこで、aduさんの作ったRPGツクールをやらされて、そのゲーム中で手に入れたカードしか使ってはいけない縛りカルドセプトをやったときに「地変がない、地変がない!」「え、そこの草むらでヘッジホッグ取れるの!? 見逃したー!」みたいな話をしながらゲラゲラしていたら、最終的に「ヨシ君うちに蕎麦食べに来ない?」という謎の誘いを受けたことが運の尽きでした。こんな怪しい人を最終的には自分の結婚式にまで呼ぶ羽目になったし、なんならヨシに息子が生まれてからも家族で山形まで足を運ぶこととなりました。人生とはままならないものです。

 彼が作ったDSセプト部を通じて、カルドセプトやらボドゲやら何やらを嗜む人とのコミュニティーを得られたのは、大げさではなく私の人生を変えるくらいのインパクトがありました。今までは手近なところで趣味の合うやつを見つけるので精一杯でしたが、趣味合うやつに直接アクセスすればいいのか! セプター30人とかでスーパー銭湯に行ったときに、子どもたちがゲームしながら食事をしているのを見たこだっくさん(お母様)が、おにぎりを見ながら「これなら食べながらゲームできる」って言ってたのを見て「マジでこのコミュニティーゲーマーしかおらんのやな……!」と思ったことが未だに印象的です。

 とにもかくにも、部長やぱんだのような界隈を盛り上げる人にカルドセプトを好きになってもらえたのはカルドセプトにとってもヨシにとっても幸運であったように思います。セプト部以降にも、なんだかんだ彼が大会を企画してくれなければ私の情熱やら執着やらを燃やす場はなかったんだと思うと、彼には足向けて寝られないなと思います。部長いつもありがとう。本当に君と友人になってよかったよ。(ラストリボルトのマップを3つにしたことと、バトルワゴンをタワーにしたことは許さないけどな!)

ザ・サードマン こっきゅん

 タピオカと同じく、これもまたファーストコンタクトは覚えていないのですが、こっきゅんとの出会いについて振り返ってみます。一番古い記憶が、DSがネットに繋がらなくなったヨシを甲斐甲斐しくサポートするこっきゅん、という絵面なんですが、なんであんなことになったんだっけっか。今思うとお互い敬語ですごくキモいです。別にお互い初手の相手をディスって喜ぶようなタイプではないんですが、めっちゃ違和感あります。そりゃよそ行きの状態で話してた時期もあるよね……。

 こっきゅんとはかれこれ15年以上の付き合いになるわけですが、そこまで至った理由は私から見ると2つ。

 まずひとつ目は、やっと自分の眼の前に降って湧いた「遊びで頑張る奴」だったからです。

 私の中でのこっきゅんを端的に表す言葉。カードゲームうさぎから一言引用させていただきます。元棋士のクラマ(狐)が放った一言。

 「情けない……思考体力が決定的に不足だ……」

 このセリフは読んだ瞬間「コレいっつもこっきゅんが俺に(声には出さずに)言うてるやつやんけ!!!!!!!」と思ったため、あの狐のことが一瞬で嫌いになりました。クソが!! 

 まあ正確に言うとこっきゅんの場合「体力」と名のつくものは基本虚弱で、長丁場に強いタイプではないのですが、それでもヘビのように時間をかけて思考を這わせていく様はヨシにはない能力です。1戦やった練習試合を翌日、翌々日まで延々振り返り続けてああでもないこうでもないとこねくり返すさまは、私にはクライミングに見えています。

 クライミングでは、先にボルトが打たれていない崖を登るときには、自分でプロテクション(スペルの名前ではなく、岩の割れ目などに突っ込んでロープを引っ掛ける場所を作るための道具)を打たなければならないのですが、彼はその思考のプロテクションを打つ場所を探すための辛抱強さが私と比にならないと感じます。ものすごく時間をかけて(彼は「かかってしまうんだよ!」とか言いそうですが)でも、事象の先を考え続けている。たまにとんでもないところにプロテクションを打ち込んで、チーム全体を袋小路に追い込んだりもするのですが、それはそれで。ゲームの内容をしつこく考え続けられるのは、私にとっては「遊びで頑張る」の象徴的な行為です。

 カルドセプトを頑張るのは地獄です。まず正解がない。カルドセプトはスパンの長いゲームなので、すぐさま行動の結果が跳ね返ってはきません。2R目にキングトータスを配置しなかったことが、20R目になって300Gの石2個になって跳ね返ってきたりするので、因果関係を観察しにくいと感じます。また4人戦という「不確定要素が3人+2要素(ダイス&ドロー)もある」というところも研究にとっては向かい風です。判断基準が違う人間をそんなに集められても困るんだけども! 皆違って皆良い訳ねえだろ! 3DSの頃はわずかに対戦記録が公式から公表されたので、メルさんが順位との相関がありそうな要素をピックアップするなどの研究をなさっていましたが、やはり踏み込んだところまで数理の力で切り開くことはビッグデータを収集できない現状では困難です。

 そうなるととことん思考実験、思考のクライミングを繰り返すほかないのです。試合数を重ねること(実測すること)も無意味ではないのですが、1試合やるのに(人集めも含め)2時間かかるカルドセプトでは、試合をすることが上達に結びつかないことも多々ありますから。

 自分より頭のいい奴、知識がある奴はいっぱい見てきましたが、はじめて「自分より考えられる奴」だと実感したのはこっきゅんだったなあと思います。

 いい出会いみたいにまとめておりますが、間違いなくここは地獄の一丁目でありました。考えられないやつが、考えられるようになろうとすると、考えすぎて気持ち悪くなるんだよ! カルドセプトの地獄に、楽しみに、ズブリと踏み入れた瞬間です。宇宙一リーグの最中は、己の思考のクライミングの浅さに吐き気を催し、カルドセプト以外の娯楽に手を出すと気持ち悪くなってしまう状況に陥り、自分を赦すためPS3と地球防衛軍4を購入したりしました。結局1回も地球防衛することなく、メルさんに新大陸の脳死ドレマを見られて「不可だよ」って言われたことを1週間くらい引きずったり、こっきゅんにカナリアで「クロック意識してるの?」って言われたことがショックすぎてコンビニに走りワイン1本開けてTwitterでバンプオブチキンの歌詞書きなぐったりしてたことのほうがよく覚えてます。宇宙一地獄だった……。結局リーグの最中も、リーグ戦が終わった後も、延々カルドセプトやってたので、地球防衛軍のソフトは未開封のまま売りました。何がしたかったんだよ俺はよ。

 余談。

 今になって考えてみれば、狂人は別にこっきゅんだけではなかったと思います。当時のメルさんのリフォ地単の日記とか見ればメルさんも大概だし、重力制御の内容をちゃんと文章化する16さんとかカタギの仕事じゃないし、ちゃおらんさんの詰めカルドの日記を読めば「遊びで頑張ってない奴」ではないのはわかります。一流のセプターは全員ブッ壊れであったのです。

 しかし、はじめて肌身で感じるカルドセプトジャンキーの波動はやはり強烈であったのだなあと思いますね。はじめてってやっぱ印象に残るじゃないすか。ナゾノクサのほうが可愛いけど、フシギダネのほうが好きだし俺。

 閑話休題。

 次に2つ目。彼は、一般人と比較して、人から好かれるということが全くインセンティブにならないタイプの人間だったからです。まあ、ようは嫌われることを意に介さないということですね。

 私は大変良識に溢れていて人々を慮ることができる道徳的な人間でありました。そういえば聞こえが良いのですが、「好かれる」ということのインセンティブを過大評価したとも言えます。大学生くらいから「人生人に嫌われるときついわ」という思いを胸に生活していたので、他人からの評価に最低保証がつくというメリットがついたのですが、まあなんかこう、うっすら鬱陶しい膜がまとわりつくような感覚がありました。

 そんな中、はじめて目にする「好かれる」をしない(『できない』ではないのがポイント)やつがこっきゅん。なんかこいつ名言と愚行のwikiみたいなこと言うて評判下げても平気でおる……。

 全員に一定数の好感度を得ないと死ぬと思っていたヨシとしては、こっきゅんを見て「まあ嫌われても死ぬわけじゃないしな」と思えたことが大変に生きやすさに繋がりました。ネット絡みの交友関係なんて、仲悪くなったら距離取ればいいだけだもんな。棲み分けがこんなにし易い環境もねえよ。(今はSNS発展しちゃったから微妙だけど、mixiとかが生きてたあの頃はコミュニティーをずらすのは難しくなかった気がする)

 これによってヨシの性格が変わります。明確に変わった。性格が悪くなった。父さん、母さん、せっかく真っ当に育ててくれたのにごめんなさい。ヨシは代々木で火ブックを使う公算が高いひよろしさん&ぬさんに対してWタローマンをぶち当てることを、ヌーンさんと戦うときに「いかにヌーンさんの火ブックに圧をかけると我々の益になるか」を他のお二人に切々と語ることを、全く良心の呵責なく実行できる男になってしまいました。我ながら誇らしいです。いや、ヨシの名前でセプターとして15年活動しているので、想定以上に嫌われる地雷を踏みぬいてしまったことも1回か2回か3回か4回くらいあるんですけどね……。嫌われるのを恐れないことと、ただの嫌われ者を混同しないようにはしていきたいです。

 結局、なんだかんだチキンなので、世間体を気にする生活を続けています。しかし、心に「世間体を気にしないモード」を搭載できたのは人生の自由度を上げたし、そのモードで接することができる人間関係を構築できた場合には大変に良い時間を過ごせるようになった気がします。ありがとう、親愛なるクソ野郎。

 たまに「こっきゅんさんのこと好きなんですか? なんで一緒にいるんですか?」と言われることがあります(みなさんがこっきゅんをどう思っているかが透けてみえる良い質問ですね!)、悩ましいところです。他の交流の深い友人は臆面もなく好きだと言えるのですが、こっきゅんは好きよりも希少性のほうが高く感じます。仲良くできる奴はいても、お互いに人権を踏みにじるひどい提案をしても怒らない心理的安全性を確保できる奴は後にも先にもこいつしかいない。ただ、じゃあそういう関係性の人間がとっても好きなのかと言われると、1人で十分だよって気持ちになります。タピオカが10人になったら幸せ10倍ですが、こっきゅんが10人になったら俺の胃に穴空くと思います。こっきゅんAの要求を実行しているヨシに最大限ダメージを与える手法について考えるこっきゅんBが現れるに決まっている。魔界に帰れ!

 彼のほうが私と15年つるんでいる理由は、まあ彼に聞いてくれって感じです。予想ですが、ヨシの感情の発露が顕著であるので見ていて飽きないこと、なおかつその感情がこっきゅんの胸先三寸で玩具のように調整できてしまうこと、何を間違えたのかヨシ本人が玩具としての自覚が極めて高く積極的に玩具になることを厭わないキチガイに進化したことなどが挙げられると思います。

 幸運だったのは、部長(セプト部)が先、こっきゅんが後であったことです。光を浴びることができる環境を整えてから出会っていなかったらこうはなっていなかったと思います。セプト部とこっきゅんの出会い方が逆だったら、メンタルやってた可能性があるので、両者とも本当にいいタイミングで出会えたなあという気がしています。

さようなら すべてのカルドセプト

 まあ、こっきゅんから書けって言われたからこっきゅんのを多めに書いたけれども、他にもたくさん。ヨシの人生とカルドセプト(あるいはそれらに付随する人間関係)は不可分なものになってしまったのである。そのカルドセプトが終焉したというのは、なんというか、こうね……。すでに1万字を超えておりますが、それでも語りきれる話ではないですね。

 今後どういうゲーム人生を送っていくことになるのかはまだわかりませんが、次の旅路も、色鮮やかで、地獄みたいで、記憶に刻みつけられるような道が続いていることを願ってやみません。

 Good luck on your next journey.

 

 

 

 ……でもよお、こんなキラキラした気持ちだけでカルドセプトやってきたわけじゃねえんだよな。それはまあね間違いない。うん。ほんとすまん。きれいにまとまらん。というわけで、文句タラタラのほうの日記をこっちに書きました。口汚い方も読みたい人はこっちも読んでください。

この記事への反応

  • ヌーン (2024年6月30日)

    お疲れ様です。ヨシさんを目標にカルドセプト して代々木で対戦できて良かったです勝率が高かったので、殴る火本と嵌める地本を主に使用してましたが好きなブックで戦って勝つのは楽しかったです。特に火本はティアマトとムシュフシュの攻撃力を120点にする侵略特化型のブックは1番好きなブックでした。カルドセプトはリボルトからはじめましたが、1番やり込んだゲームになりました❗️新作がでたらまた対戦しましょう。

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DS生まれのセプト部育ち。リボルト全国大会がある世界線を探し続けて幾星霜。

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