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追加ドローによる恩恵の最もわかりやすい例が手札が増えることです.追加でドローするから手札が増える,当然です.本稿ではカードを引くことで発生する恩恵ではなく,その当然の結果=手札が増えることそのものの恩恵を考えていきます.
概要
手札が増えるということ
手札が増えることによる恩恵はいくつか挙げることができます.代表的なものは
①供物コストの供給や手札の数を参照する能力の強化
②状況対応力の増加
③使用可能カードの増加
①は最も直接的な恩恵です.生け贄が必要なカードは当然それだけでは使えず最低でも2枚以上の手札が必要です.また,リリスは手札が多いほどSTが高くなりますしリンカネーションは手札が多いほど引けるカードが増えます.ここは特に解説は要らないでしょう.
②と③はどちらも「選択肢の増加」という効果の言いかえです.
②は直接的です.手札が増えればその場で取れる対応策がそのまま増えます.より有効な選択肢を選びやすくなり,より有効な選択肢が選べれば試合において有利に立つことができます.
ちなみにリボルトでは最大10枚手札を保持することができます.しかし多くの場合,手札が6枚を超える枚数の時はスペルフェイズで追加ドローを行ったときです.よって選択肢という意味では7~10枚目が機能するのはその後の領地フェイズで使えるアイテムか交換用のクリーチャーに限られる場合が多いでしょう.
③は端的に言えば「手札にスペルがないから何もできない!」「手札にクリーチャーが居ないから領地を確保できない!」を防ぐ効果です.小難しく言えば行使機会の損失を減らす効果です.基本的にカードは使えば使うほど得ですので,できれば何もできない状態は避けたいです.何もできない状態を避けるためには選択肢=手札を増やすことが有効です.理由は単純にその時必要なカードがある確率が高まるためです.
ただし,多くのドローソースは使うために行使機会を消費します.ドローが直接利益を得る行為でない以上,ドローソースの行使は行使機会の損失と言えます.また,使用可能カードという意味では追加でドローするために1枚を消費しているわけですから,ホープの場合2-1=1枚の増加として計算することになります.
ここで注意したいのは②と③はブックに眠っているカードを引くためのドローとは違い,実際に手札が増えないと恩恵が維持されない点です.例えば手札が4枚の時に4位ギフトによって7枚まで手札が増えれば選択肢は3枚分増え,1枚ディスカードをしたとしても当初より2枚分の選択肢増加という恩恵が次ラウンドにも続きます.一方でリンカネーションで6枚捨てて6枚引いたからと言って,次ラウンド以降の恩恵はありません.前述の通り手札が6枚を超えるのは多くの場合スペルフェイズですので,そのラウンドの領地フェイズ以外では6枚を超える分の恩恵が維持されないことが多いです.
結論
・手札を増やすことにより選択肢を増やすことができる
・選択肢を増やすことで効率的に行使機会を利益に変換できる
・引くだけではこの恩恵は活きにくく手札の実枚数が増えなければならない