何のためのドローソース
まず,追加ドローには手札補充による以下のような恩恵があります.(詳細)
①手札枚数増加
②使用可能カード総数増加
また,以下のようなブック圧縮による恩恵があります.(詳細)
③有効カードの使用回数増加
④有効カードの入手高速化
①は手札が増えることそのものが恩恵であるということ.②は手札が追加で補充されることで手番は来たのに何もできないといった状況に陥るのを予防する効果.③は試合を通してブックから引き出せるカードの量が増えることで実際に使うカードがより有効なものになるという効果.④はカードが引けないことによる手順の停滞や不利状況からの脱却が早くなるという効果を示しています.
これらはいずれもカードの行使機会を有効に使う効果と言えます.①と②は行使機会を得たときにそれを余さず使える可能性を上げるものです.③と④は毎ラウンド必ず得られる行動機会を最大限に活かせる可能性を上げるものと言えます.よくブックから引けたカードを無駄なく行使していく様子,都合よくカードをブックから引き出せる様子をブックが回ってると表現することがあります.ドローソースはまさにブックの回りやすさを底上げする効果だと言えます.それぞれのドローソースがそれぞれどの効果をどの程度持っているかは別の記事で述べるとして,ここで重要なのはドローソースは基本的にブックを回りやすくする効果しかもっていないという点です.
たまに「○○さんかなり調子よかったですねー」といった賛辞に「いやいや,引きがよかっただけですよ」のような謙遜をなさる方がいらっしゃいますが引きがよいだけではカルドセプトで勝利することはできません.この場合,都合よく引けたカードを順序よく正確に行使出来たから勝てたのです.特に副次効果のない純粋なドローソースはそこだけを見れば確実にコスト分のロスになります.つまり,ドロ―ソースは目前の行使機会を消費し将来の行使機会の品質を上げるためのカードであると言えます.当然汎用性の高いカードが多いとか遂行に必要なカードが少ないなどの理由で品質を上げる必要の薄いブックではドローソースはそこまで必要でないですし,その逆ならば大量に必要です.特定のカードに序盤から大きく依存するようなブックでは専用のドロー戦略が必要なこともあります.
まとめ
・ドローソースは行使機会(=自分の手番)の最低品質と最高品質を上げる
・ドローソース自体はその場では効用がない
・ドローソースの基本効用を意識しブックにあったドロー戦略を取ることこそが重要