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リボルト環境にあってはピーキーカードによる手札枠の圧迫と展開の高速化がドロー戦略の大きな要素となっています.そこで,本記事ではこの2要素に注目してドロー戦略を4つに分けそれぞれ考察したいと思います.
リボルトのドロー
展開が早い場合,試合を通してのドロー量を増やさなくては事故に陥りやすいです.しかし,総ドロー量を増やすためドローソースの量を増やすと,多くの行使機会とブック枠を割くことになります.この問題の最もシンプルな解決策はギフトに代表される一度に大量のカードを引けるドローソースを投入することです.しかし,この場合は手札枠が圧迫されてしまいディスカードが発生しやすくなってしまいます.次に思いつかれる事故対策はキーカードを増やすことですが何度も必要になることはないカードの大量投入はやはりブック枠の圧迫と無駄なドローが発生しやすくなります.これをそれぞれ組み合わせると以下のような戦略になります.
一度のドロー:多 ピーキーカード量:多
一度にたくさん引いてたくさん捨てます.一度に大量ドローして行動機会を節約しつつブックの回転力も保証でき,ピーキーカードも大量に入っているため捨てることのデメリットが薄く(=「今は要らないから捨てよう」のリスクが小さいため)手札枠をある程度確保できます.更に,多く入ったカードを高速で掘り出すのでかなり早期から必要なピーキーカードを手札に入れることができます.一方でドローソース投入数は少なくて済むもののブック枠をピーキーカードに多く割く必要があり汎用的なカードが減りがちな傾向にあります.このため結果としてパワフルですが汎用性の乏しい,所謂尖ったブックになりやすい戦略です.過去作(リボルトでもですが)のリンカネーションを採用したブックに多かった,リンカネ爆積み+アイテム爆積みはこのドロー戦略の代表格です.
(詳細:多引多載とリンカネーション)
一度のドロー:多 ピーキーカード量:少
ブック枠の確保と回転率が両立できる構成です.一度のドロー数が多いためドローソース投入数を節約しても早い展開についていける程度の回転率を保証でき,ピーキーカードも投入数が少ないのでブック枠に最も余裕が生まれやすくブック全体で高いパワーを維持できます.一方で試合展開と共に確実に手札枠が圧迫されていき中盤~終盤になるにつれて勿体ないディスカードが発生しやすい構成です.実践上ではドローソース数を絞りすぎるとそもそもドローソースが引けない可能性も生まれるため,その対策として一度のドロー枚数が少ないドローソースが併用されることもあります.
(詳細:リボルトドロー事情とギフト)
一度のドロー:少 ピーキーカード量:多
手札が圧迫されると一度のドロー数を抑えても手札補充によるアドバンテージが大量ドローと大して変わらないことに注目し,下がってしまう回転率は引きたいカードの投入枚数を増やすことでカバーし,ディスカードを抑えつつ場合によってはドローソースについた副次効果も狙ったドロー戦略です.主にギフト・リンカネによる手札圧迫を重視していたりギフトが弱いレギュレーションで見られます.ディスカードを絞りながらドローソース・手札枠を有効に活用できますがピーキーカードは多いためディスカードを減らしても2枚目3枚目の要らないピーキーカードを引きやすく極端に大きな有利にはなりにくいです.また,高速化に対応するためには一度のドロー量が少ないと必然的にドロー回数=ドローソース投入枚数も増えるためブック枠がピーキーカードとドローソースで大量に消費されるか,何かしらの遅延策を必要とすることになります.
一度のドロー:少 ピーキーカード量:少
手札補充の恩恵を少ない余剰手札枠でも受けつつ,大量のドローソースにより圧迫されるブック枠をピーキーカードを絞ることで空ける構成です.手札枠が圧迫されがちだから一度のドロー量は抑える,何度も使う必要のないカードも少なくする(=手札圧迫も発生しにくい)という手札枠の事情だけ見れば理想的な構成です.一方で高速展開への対応という観点では厳しく,特に総ドロー量を増やすためにドローソースを増やすと行動機会の消耗が激しくなることを忘れてはいけません.つまり,理想的に回せる手札を利益に変換する機会を失いがちな構成であるともいえます.かと言ってドローソース投入枚数(またはドローソースの行使)まで減らすと高速化に対応しにくいばかりか少ないピーキーカードを引いてくることも難しくなるという弱点があります.多くの場合,時間がかかる達成プランとパワフルな遅延策が併用される場合,または遅延場になりやすいことが事前にわかっている場合に見られる構成です.