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好きな種類のカードを引けるプロフェシー.キーカードサーチや事故対策をしつつアイテムの供給をするなどの使用方法が主です.この「どんなカードの代わりにもなって事故を防ぐ効果」=ワイルドカード効果は代わりに実際に引くことになったカードを1枚投入するのと何が違うのでしょうか.この記事ではそれについて考えます.
プロフェシーで引く前と後
まずプロフェシーを使うと手札とブックに何が起きるか順番に確認します.
手札
プロフェシーを行使するとプロフェシーがなくなり指定したカテゴリーのカード(以下,指定カード)を手に入れることができます.見た目にはプロフェシーが指定カードになったように見えます.
ブック
プロフェシーを行使するとブックから指定カードが1枚なくなります.
ここまででは単に指定カードを引いただけに見え,指定カードを追加で居れた場合と同様に見えますがそうではありません.確かにドローのしやすさ(≒平均入手時期の早さ)はブックに含まれる指定したカテゴリーの枚数によりますがカテゴリー単位で見れば変わりません.しかし,試合全体を通した使用総数という観点では大きな違いがあることはすぐわかります.クリーチャーが2枚しか入っていないブックとクリーチャーが1枚+プロフェシー(クリーチャー指定)のブックが顕著です.前者のブックは50枚引ききったときクリーチャーカードは2枚使えます.後者は50枚引き切っても使えるクリーチャーは1枚です.後者でクリーチャーを引く前にプロフェシーを使ってクリーチャーを引いても当然使用回数は増えません.言うなればクリーチャーを前借りしている状態です.この前借りこそがプロフェシーの特質です.
プロフェシーの効用
プロフェシーの効用はしばしば”偏り”と表現されてきました.これは手札の比率を理想的なものに偏らせるだけでなくブック内のカード比率を偏らせる数少ない手段であることです.例えばプロフェシーでクリーチャーを前借りした場合,使用総数を変えないままブックからクリーチャーを消すことができます.もっと端的に言えばプロフェシーで特定のカードを引くとブックからそのカードを引く確率が減ります.この効用は序盤に序盤は欲しいものの終盤は要らないクリーチャーを指定したときに特に強く発揮されます.つまり,序盤にその時必要なものを引きつつクリーチャーの効用が落ち始める中盤以降のクリーチャードロー率を下げることができる,ということです.更に機能時間帯が限定されているカードをプロフェシーで引くという戦略は,引くカードの投入数を小さくするようにはたらき,ブック圧縮やブック全体の時間帯機能率を底上げすることが期待できます.
ただしこの効用は速い展開では効きにくいという欠点があります.これはそもそもプロフェシーを引く時間が必要なことと比率を整えた後のブックを更に回さなくては恩恵に預かりにくいことが主な原因です.また,早い展開についていくためにドロー力を底上げすると整えるまでもなく必要なカードを揃えることができるという事情もあります.
結論
・プロフェシーは手札だけで見るとワイルドカード
・プロフェシーはブックを見ると前借り
・数少ないブック内のカード比率を偏らせる効果を持つ
=必要なカードを取り寄せることでその時間帯での手札の機能率を上げつつブックの未来の機能率を上げることが期待できる