本来1つの記事にまとめるはずだったのが2つに分かれ、そしていつの間にか中編が挟まることになってしまいましたが、ようやく後編です。
一応前編と中編も読んでいただけるとありがたい、というか泣いて喜びます。
・決勝
準決勝が16Rとかなり早く終わったために、まだ他の2卓は試合中。他の卓の結果を待ちながら、顔を洗いに行ったりして時間を潰します。
10分~20分後に他の2卓も終了。これにより対戦相手はこうなりました。
ブライスさん…1度しか当たったことが無く、情報がほとんどない。分からない。
星野さん…前日の大会に続き連続の決勝進出。テラ―メアというかもはや主人公ポジジョン。
アールさん…ラスボス。予選で勝率6割って強すぎません?
…何ですかね、この主人公(星野さん)vsラスボス(アールさん)の戦いに巻き込まれてしまった感覚は。「リハビリだー」とか言ってる私がこんなところに混ざってていいんでしょうか。
と、若干ネガティブ思考になりながらも、いよいよ試合開始です。
・序盤
ブライスさんが火、アールさんと星野さんが水。そして自分が地というブック選択。基本的に皆さん予選で当たった時と同じブックのようです。(ブライスさんは微妙なラインですが)
基本的に全員が土地をしっかり確保する立ち上がり。水被りの二人も特に競合することも無く土地を取っていきます。ただ最序盤では星野さんの方が優勢だったかな。
自分も今回は地土地をワーベアでしっかり確保。ただ合成は発動できず、ステータス的に不安が残る状態なので、暇なときにトロルと交換しておきます。その後今度は水土地にワーベアを配置して、後にアーチンと交換。手を進められないときは不屈を活用して立ち回ります。
アールさんは初手からクイックサンドを抱えながら周回。(載っているブックにクイサンは入っていませんでしたが、おそらくセフトの枠と入れ替わってると思います。)バリアーがあるので手も出せず、若干いやーな感じ。
ただ場に見える危険なカードは基本的にクイサンだけで、どちらかというと平和な場のようです。大分助かりました。
少しラウンドが進んでも、展開としてはやはり横並び。誰かが飛び出るわけでも、遅れるわけでもなくじりじりとした展開が続きます。ここでもにらみを利かせているのは、やっぱりアールさんのクイックサンドですね。バリアーに守られて手が出せません。
ただ、そのアールさんもこの試合はあまり調子がよくないというか、予選で当たった時のように、バリアーでハンデスやドレインをかわしながら1人スルスルと伸びていく展開にはなっていません。決して不利というわけでは無いのですが、速度的には少し遅めの展開に付き合う形になっています。ちょっと不思議な感じです。
・中盤~終盤 魔法陣のいたずら
さて、全員がレベルを上げ始め総魔力が3000ぐらいで横並びになったところで、試合展開を大きく左右する事件が起きます。
この時自分は4連鎖L4とラントラを持っている状態で、おそらく状況的には有利。にらみを利かせているクイサンにもフォームポータルを抱えて、リスクはほぼない状態で進めることが出来ていました。
そんな時、ブライスさんが魔法陣に着地。出てきたのは何か(忘れた)と…レイオブロウ。
あまりにもクリティカルなタイミング。これが撃たれ、自分はラントラとフォームポータルと、あとついでにあったウォーロックディスクを。アールさんはクイサンをそれぞれ失うことになります。(他にもあった気がするけど思い出せず)
さて、状況が一変したここで考えましょう。ラントラを失ってしまい加速するプランを失ってしまいましたが、それはクイサンが無くなったアールさんも含めて全員に言える状況。言ってみれば横並びの状態がさらに強くなったわけで、ここから総魔力3000ちょいからのサバイバルレースが始まる格好になります。
そこで他の人に差をつける方法は何かというと…、やっぱり通行料になってきます。
通常、通行料をもらって勝つというのは偶然による要素が強いので、あまりあてにできるものではありません。が、ジャンクションというマップでは少し話が変わって来ると考えます。
詳しい説明は省く、というか過去のヨシさんの記事を読んでもらうのが一番分かりやすい(3DS版の話なので少し変わるかもしれませんが基本的には応用できるはず)と思うのですが、簡単に言うと「展開によって踏みが発生しやすい土地がはっきりと変化するマップ」だということ。ヨシさんの言葉を借りると動的踏み制御を制御しやすいということですね。
これを念頭に考えてあらためて状況を見てみると、自分のL4は下のゲート横で他の方の高額は(確か)上の方にいくつかある状態。こういう時、基本的には高額が複数ある上をリープなどの足スペルで回避する傾向にあるので、下にある自分のL4には足スペルの無い状態で挑戦する可能性が通常に比べると少し高くなります。
…おや?これはチャンスがあるのでは?
とはいえ、そんなにすぐに踏みが入るわけもなく。アールさんはエスケープとスキュラを持っていて期待しにくい状況ですし、ブライスさんは8で華麗に回避してしまいます。まあしょうがないですね。
そんな中、星野さんが自分のL4まで残り6マスのところに着地。手札にはマジカルリープとドリームテレインがあります。さて、どちらを優先するか。
星野さんの選択はドリームテレイン。そしてダイス目は6、自分のL4。これで自分に通行料が入ります。正直自分もあの場面ならドリームテレインから入っていたと思うので、別にミスとは言い切れないのですが、とにかくこれで自分が有利になりました。
もらった魔力でレベルを上げ、総魔力は6000ちょっと。タイニーアーミーで魔力が入ってレベルを上げたブライスさんがそれに続き、L4を踏んだとはいえドリテレで上手くトランスに繋げた星野さんと、ブライスさんのL4を踏んだもののスキュラで回避したアールさんが大体5000ちょいで同じぐらい。言うてまだみんなにチャンスがあります。
ここで幸運なことにマジカルリープで空いてる地土地を獲得。これで5連鎖となり、総魔力は7100まで伸びます。でもまだこの周回では上がれない状態。じりじりとした展開が続いて大分疲れてきていたので出来ればここで上がり切りたいのですが、そのためにはあと総魔力をあと総魔力を500ほど伸ばさないといけません。レべルを上げられる土地も無いので、さすがに難しそう…。
と、そんなことを考えながら次のターンダイスを振ると、そこは星野さんのL4マカラ。リープ後だし回避するか―と考えながらよく見ると、星野さんの手持ち魔力は50G。アイテムが使えません。(直前でアールさんのランドドレインが星野さんに刺さっていました)
自分のハンドにはシルバンダッチェスとロックトロル。合計でST100なり。
落とせるやん!!
ここを落として周回ボーナス込みで達成のラインに乗ったところで、ゲートまで残り3マス。ブライスさんも自分のL4を踏んだので、総魔力は9000越え。これでダイスが出れば間違いなく勝てる…!
が、直後に星野さんがアールさんのL4を踏み、アールさんがその魔力でレベル上げ。ゲートまで残り1マスの地点で光ります。つまり自分のダイスが出なければアールさんの勝ち。
ダイス3以上出れば勝ち…準決勝の相手…3DS版女神杯…うっ、頭が…
と、そんな不安が頭に渦巻く中(ヨシさんごめんなさい)ダイスを振ります。頼むっ…!!
ダイスは7。
優勝したことがすぐには信じられませんでした。
・振り返ってとこれから
準決勝も決勝も、結果から言えば「踏んでもらったから勝った」というものでした。
運が良かったのは間違いないと思います。ただそれだけで片付けるのも勿体ないというか、一応踏ませることをを念頭に置いてプレイしていたので、その結果勝ちましたって言いたかったりもします。
…まあ、あんまりこれで悩むことじゃないと思いますけどね。
ただやっぱり嬉しい。特に今回は、自分で調整をしたブックでの優勝なので喜びもひとしおです。これだけでカルドに戻ってきてよかったなと思います。
おそらく。今の自分は一昔の自分に比べると、カルドに対する熱量は落ちています。特にランキングをひたすらやっていた時期に比べると。
それでも、カルドに対する付き合い方は上手くなったのかなーと、思ったりします。
自分は何かを新しく生み出せる人間ではありません。0からブックは組めないし、新しい戦術を考えることも出来ません。だからこそ新しいものを生み出せる人や生み出そうと努力してる人はうらやましい。
でもそこに固執してもしょうがない。割り切りって大事だと思うんですよ。
だから、今後も深く考えずに楽しくカルドを続けられればいいかなーって思います。
…何か最後は大会と違う話でまとまってしまいましたが、これでジャンクション大会のまとめは終了となります。主催者のひろよしさん運営お疲れさまでした。
前中後編の長いレポートとなりましたが、ここまでお付き合いいただいた方ありがとうございました。楽しみにしてますみたいな声もいただいてすごく嬉しかったです。
それでは今回はこの辺で。
16bits (2017年8月6日)
動的踏み制御は、3DS版ジャンクションのひとつの到達点ではありますが、
それはあくまでも全国大会予選レベルでの話であって、
3DS版終期のカルコロ環境では通用しませんでした。
変な例えですが、少年漫画で言うところの「序盤に出てきた必殺技」なので
幾多の戦いを経験したカルコロのメンツには「ワシには通じぬぞ」状態でした。
また、動的踏み制御は、3DS版ジャンクションの半周部分に着目して、
瞬間的に踏ませる可能性を高める方法ですが、決勝でのテレコムさんの方法は
「マップ全体を単位として見て、足スペルの切れる位置に高レベルを作る」
というものでした。
その意味では、リボルト版の動的踏み制御の萌芽が出てきたのかな、とも思います。
実は我々の検討では、リボルトは3DS版とダイスのルールが異なるため、動的踏み制御のトレースを一時的に諦めた、という経緯があります。
ところで、準決勝と決勝とでは、踏ませるために設定した拠点の位置が違います。
準決勝は「他人が高額地を作った周辺に作る」というもので
決勝は「他人が高額地を作ったところとは離れた位置に作る」ものです。
このことから、決勝の方法論の過度の一般化は難しいように感じました。
大変示唆に富む記事を読ませていただきました。
ありがとうございました。
telcome06 (2017年8月6日)
コメントありがとうございます。
前編に頂いたコメントも併せて、自分がカルドから離れていた「穴」を補完できるようなお話が多く、自分としても非常に参考になりました。
「カズラはMOJの頃の環境に合わせて作ったブックなので現在の環境には合っていないのではないか。」
「動的踏み制御は3DS版終期のカルコロ環境では通用しなかった。」
こういったお話を聞けたことを非常に嬉しく思います。ありがとうございました。
後編の最後にも書きましたが、自分は何かを生み出すことが出来ない分、過去のブックや理論、動画といったものを拾い上げ、そこから考えを膨らませたりプレイに応用させたりという形をとっていました。特にリボルトに関しては日が浅く、知識や経験というものがまだ薄い分、そういった過去の知見で補わないと勝負に絡めなかった可能性が大いにあります。
おそらくですが今回の結果は、そういったものが上手くかみ合った結果なのだろうと思います。
もちろんいつまでも過去に頼ることは難しいと思うので、早くリボルトに順応していかないといけないなーとは思うのですが。そう考えると自分もやるべきことは山積みです。
今回16bitsさんからコメントを頂けたことで自分の今後の指針も見えた気がしますし、何より素直に嬉しかったです。こちらこそ本当にありがとうございました。
また結果を残せるように今後も頑張りたいと思います。