前作のカルドセプトまではほこらという施設があり、そこを踏むと魔力をもらったりクリーチャーにダメージが入ったりと、ランダムに効果が発生していました。
今作からはほこらが無くなり、代わりに魔法陣が登場しています。ほこらで理不尽な効果が発生するとストレスがたまりましたが、魔法陣は人の意志が働いているので比較的納得感が強いですね。とても良い仕様変更だと思います。
さて、そんな魔法陣ですが、皆さんちゃんと踏んでますか? え、お踏みでない? いけませんねぇ、健康のためには一日一魔法陣ですよ!
そんなわけで、今日は魔法陣を検討してみましょう。
魔法陣のしくみ
まずは簡単に魔法陣の仕様を理解しましょう。カルドセプトリボルトwikiから引用します。
魔法陣
停止すると、スペルカードをコスト無しで使用することが出来る。グループAとグループBからランダムに1枚ずつ選ばれる。選ばれた2枚から1枚を選び、即座に無料で使用する。どちらも使用しない選択もできる。
おおまかにポジティブなスペルが多いAグループと、ネガティブなスペルが多いBグループという形になっています。他に気をつけなければいけない点としては「無料で使用できる」「使用しなくても構わない」というところでしょうか。
なお、余談ですが普通のスペルと同じように、魔法陣のスペルを使用するとライフフォースが解除されます。ええ、痛い目見ました。
こんな時に引きたいあのスペル
では、具体的な状況設定をして、必要なスペルをどの程度の確率で引けるかを考えてみましょう。なお、Aグループは青字で、Bグループは赤字で表記しました。
魔力を得たい時に有効なスペル
- マナ
- ギフト
- ピュアリファイ
- ドレインマジック
上記のスペルを1枚以上引ける確率:1 – 13/16 × 15/16 = 23.8%
魔法陣を踏んで魔力獲得を狙う、というのはどの程度の価値があるのでしょうか。
基本的に増収に用いるスペルは上記4種類。魔法陣から出てくるスペルはすべて0Gで使えるので、コスト分が丸々浮きます。無料ギフトの嬉しさたるや! 増収以上に嬉しい物がありますね。
一応期待値も出してみます。ピュアリファイが100G、マナとギフトは125Gの利益が出るとします。ドレインマジックは500Gくらいは持っている人がいるだろうと仮定して、150Gの利益がでるものとしましょう。上記の確率でこれらの利益の平均が得られるとすると、以下の様な計算になります。
(100+125+125+150)/4 × 0.238 = 期待値29.8G
完全に増収目的だけで撃つスペル選ぶとするならば、ドレインマジックを引く確率×150G+ドレインマジックを引かずにマナを引く確率×125G……と計算すべきですが、どのスペルを撃つかを完璧に増収目的だけで撃つことは稀でしょう。(500G持ちの相手にドレマするより、2位ギフトを撃つ人の方が多いよね?)ドレインマジックなどは状況によって大きく増収の幅がでますから、厳密に期待値を求める意義は薄いと思います。ざっくり平均30G儲かる、とでも思っておけばいいでしょう。
正直期待値は大したことない数字です。レベル1を踏む位なら、魔法陣踏んどいても良いかなってところでしょうか。
実用的な考え方としては「1/4で100G以上儲かりそう」と覚えておくこと。どうしてもこのタイミングでレベル5増資しなければ手順が足りないのに、1190Gしか無い……なんて時に魔法陣を踏みに行くのは賭けとしては成立しそうです。
ネガティブな呪いを消したい時に有効なスペル
- グリード
- スピリットウォーク
- バイタリティ
- マスファンタズム
- ピュアリファイ
- ディジーズ
- リキッドフォーム
上記のスペルを1枚以上引ける確率:1 – 11/16 × 14/16 = 39.8%
バインドミストやシニリティなど、致命的な呪いスペルをかけられてしまった場合の解決策として、自分にかけることを想定してみましょう。
まあ、ディジーズは苦しいかもしれませんが一応即死は免れそうということで対象に入れました。およそ4割というのは、案外なんとかなりそうな現実的な数字です。
移動したい時に有効なスペル
- ヘイスト
- エスケープ
- ホーリーワード3
上記のスペルを1枚以上引ける確率:1 – 14/16 × 15/16 = 18.0%
一応可能性が低いながらも一応移動できます。正直あんまりコレを期待して魔法陣踏むシーンは思いつかないかな。
無属性のクリーチャーを焼きたい時に有効なスペル
- ホーリーバニッシュ
- エレメンタルラス
- マジックボルト
上記のスペルを1枚引ける確率:3/16= 18.8%
これホーリーバニッシュ以外、一番焼き殺してやりたいであろうリビンググローブが焼けないいの納得出来ない。あのお手々のHP30は絶対におかしい。ふざけんな。しかもホーリーバニッシュしても、リビンググローブが相手の手の中に戻ってしまうわけで……。前作のシェイドフォークが可愛く思えますね。
閑話休題。
基本的には「魔法陣があるマップでリビングアムルとデコイを採用するかどうか」の判断基準となる数字です。魔法陣を5回踏まれたらなんとなく1回は焼かれてしまうと考えられますが、それを踏まえてブック構築する必要があるでしょう。
四属性のクリーチャーを焼きたい時に有効なスペル
- ストーンブラストorブレイズスプラッシュ
- エレメンタルラス
- マジックボルト
上記のスペルを1枚以上引ける確率:3/16 = 18.8%
HP30を焼こうとしたら、ストーンブラストorブレイズスプラッシュを1/16で引かなければなりませんから、基本的に無理ですね。あまり有効ではありません。
特定のカードを破壊したいに時に有効なスペル
- シャッター
- レイオブロウ(破壊したいカードのコストが100G以上の場合)
上記のスペルを1枚以上引ける可能性:2/16 = 12.5%
これも現実的では無いです。
特定のクリーチャーを侵略したい時に有効なスペル
- シャッター(アイテムを割る)
- ターンウォール(防具を使用できなくなる)
- ディジーズ
- バインドミスト
上記のスペルを1枚以上引ける可能性:4/16 = 25%
恐らく、この項目を魔法陣に求めている人は、後がなく切羽詰まった状況にあることでしょう。ざっくり、上記の4種類のうちのどのスペルであれば領地奪取が可能なのかを計算しておきましょう。
ドローしたい時に有効なスペル
- ギフト
- ホープ
- リンカネーション
- グリード
- バイタリティ
- ディジーズ
- リキッドフォーム
上記のスペルを1枚以上引ける可能性:1 – 11/16 × 14/16 = 約39.8%
ドローカードがタダで撃てる(かもしれない)というのは魔法陣の大きなメリットです。
ギフトで2.5枚、ホープ2枚、リンカネーション4枚ドローを期待できるとして、正確にドロー出来る枚数の期待値を計算してみます。ギフトの期待値+ホープの期待値+リンカネの期待値+グリードorバイタリの期待値+A群からドローできるスペルを引かず、かつB群からディジーズorリキッドを引く期待値で計算すると以下の様になります。
1/16×2.5 + 1/16×2 + 1/16×4 + 2/16×1 + 11/16×2/16×1
= 約0.75枚
ざっくり「1枚弱ただでドローできる」と思っておくのが良さそうです。ただ、結局はその程度。狙ったものをドローできる確率は更に低い訳ですから、ココぞという時にピンポイントで狙いに行くものではなさそうです。
ケーススタディ 達成を止めよう!
積極的に魔法陣を踏みに行くケースは、恐らく相手の達成を何らかの手段で止めよう! という場合に多いのでは無いでしょうか。相手の達成を止めるすべがあるかどうかを検討してみます。達成を止めたいセプターAについて、以下の条件を設定してみましょう。
セプターAの状況
- 手持ち魔力:800G
- 総魔力:8,200G
- 土地:火4連鎖 【土地A:レベル5ティアマト】【土地Bレベル5ティアマト】【レベル3ナイトエラント】※隣に貴方のテュポーンが配置されておりダウン状態でない 【レベル1 リビングアムル】
- 手札はマグマアーマー
まず、どうすれば達成が止まるのか。ドレインマジックではダメ、土地を陥落するか連鎖を切る必要があります。引いてなんとかなる可能性のあるスペルを網羅してみましょう。
- エレメンタルラス(リビングアムルを焼ける)
- マジックボルト(リビングアムルを焼ける)
- ホーリーバニッシュ(リビングアムルを手札に戻せる)
- ブレイズスプラッシュ(ナイトエラントを焼ける)
- バインドミスト(ナイトエラントにかけて倒せる)
- ターンウォール(ナイトエラントにかけてマグマシールド使用不可にして倒せる)
- クインテッセンス(ナイトエラントにかけて連鎖を切れる)
上記のスペルを1枚引ける確率:7/16= 43.8%
こうやって見ると結構ロクでもないな魔法陣……。一つの要素狙いでは、本当にヤケッパチの博打にしかなりませんが、複数の軸線から相手の土地を切り崩せる場合は、無視できない確率で有効なスペルを引いてくる事ができます。これで相手のスフィアシールドを消せれば止められる、なんて言ったら更にシャッターやレイオブロウまで有効になってきますので、魔法陣成功確率が50%を超えます。Bグループのスペルはなるべく把握しておくと良いですね。
まあ暗記して「16種類中8種類のカードでやつを止められる……頼むっ……!!」って踏んだところで「チョリーッスwwwwwwww どもwwwwww パシフィズムっすwwwww」って言われるんですけどね! くたばれ魔法陣!
まとめ
- 基本的に狙った効果を発生させることは難しい。
- 少額の増収狙い、ネガティブ呪いの解消狙い、達成を複数の手段で相手の達成を止められるシーン、の3点に限って博打として成立する。
- Bグループのスペルは丸暗記しておくと役に立つ。
という訳で、正直そんなに有効な訳ではないですね、やっぱり。しかし、オッズを知らないまま賭けにでるのは、知的ゲームの楽しみを一つ失っているんじゃないかと私は思います。理解し、納得し、覚悟したうえで魔法陣を踏んでいきたいものです。皆さんも有意義な魔法陣ライフをお送りください!
bruce_leech (2016年8月22日)
こちらでも興味があったのでフレンド4人戦で魔法陣を踏みまくって検証してみました。
前作の祠と同様で、一度出現したスペルは二度出ないということが確認できました。一試合中に魔法陣を16回踏むとリセットされてまたランダムで16種類から出現します。
なので出現したスペルをメモっておいて終盤で出したいスペルを狙って出す確率を上げることはできそうです。
yoshi (2016年8月25日)
あ、そうなんですか! 知らなかった……。祠だと「知らねえよ」で済ませられるような確率ですが、魔法陣だと16通りしか無いですもんね。覚えておくことが現実的な戦略になってくるのか……。