こんばんは、カルドセプトやってますか。
私はやってません。
それではおやすみなさい。
注意書き
aprioさんの以夷制夷を読んでシステムを理解している事が前提になっています。さらっと読んで知っている、というレベルだと書いてあることが意味わからない可能性大。
☆
aprioさんが以夷制夷システムについてカルドブログで明らかにしたことで、
一般的にも「そういう」考え方があるということが知れた、
ということについて仲間から間接的に聞いていた。
どうやら仲間たちの言うには私たちが多層防御の構築、という風に呼んでいる概念を、
わかりやすく、革新的に以夷制夷システムというテキストで説明してくれたようだ。
注記として、以夷制夷テキストは私たちの多層防御論の成立とはあまり直接的な関係はなく、
たぶん同時多発的にaprioさんが思い付き、独自に実験したのだと思う。
(私自身はテキストの存在を知っていたのだが精読したのは前回触れたときが初めてである)
(当時大変人気のあった記事で、確かにそのなかで私もチラっと目を通したものの、
多層防御構築の概論からひどくは逸脱していないようで、すぐに忘れ、自分の穴倉に戻ってしまった。)
しかし今になってどうもイマイチ多層防御という概念について
理解の個人差が大きいなぁ、ということに思いが至った。
もしかして、共通的な概念として解釈されていないのでは?という疑問である。
新しいセプターさんたちがTwitter上で会話をしていたり、
対戦ツールのチャット機能で会話をしたりしているときに、
なんとない違和感を感じたのが発端でもある。
これは、ちょっと、原典に当たってみなければならないのかも知れない、と考えた。
(余談だがこの文章を書くにあたってチームメイトに話を持ち掛けたら、
チーム内でも多層防御の概念について、若干のズレがあった。
これは私たちが多層防御をチーム内文書で明示して定義しておかなかったツケである)
(チーム内で多層防御が論じられたのはしぐれ型・ymp型の頃だったので、
大分知識が風化してしまった、或いは後に論が添加された部分もあるので、
個人に解釈の余地が大いに残されたままその後の論がなされたのも原因である)
☆
それで原典であるaprioさんの以夷制夷
https://blog.culdcept.net/aprio/201406290000
を当たってみた。
テッドロアさんの企画したカルドセプトの投稿キャンペーンに乗る形で投稿された文章は、
私の文章などよりかなり、いや、はるかに見やすく、
読者の目線に立ってみれば、こりゃあ確かに親切だ。
だが今回は多層防御構築論と、以夷制夷システムの違いの発見、
あるいは、読者ごとにイマイチ解釈がズレている原因の予想が目的である。
いや、なるほど、すぐに問題は見つかった。
【結論】
グリマルキンとカウンターシールド、ピースが強い、という話です。(なんかスミマセン)
【投稿祭】いいせいい (2014年6月29日)
aprio
おうふ…これか。
(やりおるな)
☆
いやいやいや、なるほどしかし、親近感を覚えるだけではいけない。
きちんと批判せねば穴倉から出てきた意味がない。
この文章としてまとめられている内容はざっと
・以夷制夷システムの紹介
・システムの強み、性質
・システムの実現方法
・システムを構成するパーツ群
・システムの弱み
という章立てとなっており(勝手に項目を要約して、並べなおしている)
決して単カードの強さに帰結するようなことではない。
つまり、結論の欄でまとめとして書いてあることが、
ちっとも内容を体現していないということになる。
(恐らくわざとこういう作りになっている)
さらに、以夷制夷システムを構成するパーツ群には、
多層防御という項目が入っており、
こっきゅんの使っている言語との表面的な類似性がある。
穴倉のセプターと、現役のセプターとのあいだで
共通的な理解ができない原因の一端を発見したわけである。
日本語と中国語とで同じ文字を使って同じ熟語を使っているのに、
意味が似ていながらもちょっとズレる、みたいな。
(どちらが悪いかといえば、きちんとしないこっきゅんが一方的に悪い)
こっきゅんここで勝手に纏めなおす。
以夷制夷システムは『具体例』の項にある構成パーツ群を適宜組み合わせ、
総合的で固い防御を作り出し、対戦相手の干渉を別のセプターに逸らせることで、
優位に立つことができるという思想・システムである。
具体的に使われるのは、グリマルキン・カウンターシールド・ピース等である。
☆
無断で纏めなおしなどという大それたことをしてしまった。
しかしながら、以夷制夷テキストは大変に人気の高いテキストだし
一般とわたしの間に概念のずれが発見されてきてしまって、
恐らくもう、出回ってしまったこっきゅんのテキストを一個一個、
これを修正したり共通化したりすることは私には上手くやれそうにない。
(それをする気力もない)
今更言いなおすつもりもあまりないので、
ここは、こっきゅんのテキストの方に修正パッチを適用しようと思う。
こっきゅんが使っている(或いは今後使う)多層防御という言葉は、
以夷制夷システムのパーツ群の1つではなく、
どちらかといえば以夷制夷システム全体を指す概念に近い。
以夷制夷テキストにある構成パーツ群にある「多層防御」以外の概念を包摂するし、
結論部分にある特定カードが強い、あるいは特定カードで実現するという概念でもない。
(その部分は纏めなおしで吹っ飛ばしちゃったけどね)
わたしの用いる多層防御とは「防御の多層性についての知識群」である。
いくつかのブック構築論的知見と、いくつかのプレイング構築の知見とから構成される。
何重もの防御を層として形成することで他セプターの干渉を逸らし、
もって自分の優位を得ようとするための、知識のかたまりである。
aprioさんの以夷制夷と重なる点もかなりあるので、
詳しくはそちらも併読してもらうこととして、
具体的大雑把には以下のような知識を内包する。
(名前が似ていても少しズレてる概念もあるかも)
・状況防御
かつてステルスと言われたプレイングスタイルから取り出され、
さらに一般化された防御概念。
他者の優先順位のなかで、自分への干渉の優先度がとても低い場合、
この干渉は実際には直ちに行使されない。
相手にとって干渉の利のあまりない状況では、干渉がなされないことを、
防御力に組み込んでしまうという考え方。
過去のステルスと違い、自分の見かけ上の順位を落とす、
という考えにとらわれない使い方が為されるのがポイント。
こちらが1位だろうと、他に優先行動があれば干渉されないのだ。
・支配欲求の低い土地の活用
マップ形状と戦略配置の関係上、みなが欲しく、取り合いになりやすい場所が産まれる。
反面、そうでない場所というものもゲーム中に生まれてくる。
みながそこまで欲しくない土地に対する防御コストは低下する。
・影踏み
メルさんがある日言い出したチェーンの歩法。
アイテムを十分用意できないゲーム序盤、陥落要素を持つプレイヤーの後ろを歩く。
少々の通行料を支払う可能性はあるが追突による配置クリーチャー除去を回避する。
・殴って逸らせる
他プレイヤーの連鎖を1個削りとると、
こちらへの干渉よりその修復が優先される場合がある。
特に色被り同士での色の取り合いが優先されやすい状況であれば、
遅延の効果が高まる。
紛争地帯に火種を投げ込むイメージ。
(この辺の知見が深まると、走るための殴り、などという一見おかしな言葉を発するようになる)
・手札の防具の多重化
・違う種類の防御の重ね合わせによる硬さ構築
・十分に硬い状態では他人に干渉カードが逸れる性質の利用
この辺りは以夷制夷テキストを参考にして頂ければ
何となく今回のテキスト+以夷制夷システムのテキストとを
併読してもらってもそれでも漏れがあるような気もするけれど…
別の人の論も参考にして欲しい。
☆
実際には以夷制夷システムはその達成を、
具体的なカードの採用を含め「ガッチガチに固める」ことで
他者の干渉を他所へそらすということに主眼を置いているが、
こっきゅんの言う多層防御の思想は、以夷制夷システムととてもよく似た部分があるが、
「相対的に十分な硬さがあれば放っておいてもらえる」
ということに主眼が置かれている。
(最初から最後までカッチカチという訳ではなから、硬さが完成するまでに時間がかかることもあるし、
時間をかけて干渉しつづけられると抜けてしまう防御の場合もなくはないが。
必要な時に多層防御を完成して、あとは、崩壊する前に達成してしまえばよかろうなのだ)
今回多層防御の概念を既知の以夷制夷システムとの親子関係から脱出させ、
こっきゅんのテキストで纏めなおしたことには、もう一つ重要な理由がある。
それは、知識群というかたちで組みなおすことで、多層防御の概念は、
特定カードに依拠したものではなく、別のカード群でも実現できるテクニックのひとつ
に縛りなおしたかったからだ。
3DSのカード群と全く同じ効果が実現できているというわけではないが、
リボルトのブック構築論にも、多層防御という概念が前提として織り込まれ、
今も生かされている。
これは、多層防御が以夷制夷システムの内部概念のまま処理されたのでは、
実現しづらい事である。
aprio (2017年7月9日)
こんばんは、aprioです。
昨今の興味深いテキスト投稿、ありがとうございます。
今回は特に私の過去のテキストを掘り起こして再構築までしてもらい、感謝感激です。
以夷制夷に対して、文書でフィードバックをもらったことがなかったので、素直にうれしいです。
ターゲットも要件もコトバも違うテキスト同士をすり合わせる作業って大変ですよね。。。
「多層防御」という言葉は、当時から人によって意味がブレていました。
私のテキストでの用法も、広く合意されたものではなかったですね。
定義(?)として公開されたものとしては、以夷制夷の記事を書いている最中に投稿されたヨシさんの48手が、初見だと記憶してます。
せっかくなので紹介します^^ (この記事を読んでいるであろうリボルトセプター達のために)
https://twitter.com/yoshi_gmgn/status/481066074704596992
https://togetter.com/li/683960
kokkyu (2017年7月9日)
>>aprioさん
コメントありがとうございます。
他人のテキストを勝手に掘り返してバラバラにする行為について、
aprioさんに同意を取るべきか一瞬迷いましたが、
エッヂィなままで出したかったので許可なしてGOしました。
ああ、なるほどヨシちゃんの方から漏れ出てたのなら、
多分わたしの多層防御と出所同じなので、まあ…いいのかしら。
ま、防御の多層化をどの程度どのようにするか、
もう少し柔らかくしても大丈夫なのかどうなのか?
或いは発展的にどうなっていくのか?を内包するとなると、
以夷制夷システムと多層防御の親子関係が、aprioさんのもののままでは、
ちょいと使いづらくなったので。
こんな風にさせてもらいました。
こ、これなら、以夷制夷のもつ構造的な遅さについて、
調整が効くはず……だということに、なりませんかね?w