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トップページ » ウェザリング » カルドラフトの戦い方 (3) ピックの考え方

前回の記事では、強いと思われるカードについて解説しました。

今回はピックの考え方について書いてみますが、その前にこの記事で使う用語の説明をします。

ピック
パックから1枚カードを選び、自分のカードプールに加えること。

第1ラウンド
それぞれのプレイヤーが同時に最初の1パック目を開けて、そこから17回のピックが終わるまでの間。各プレイヤーは自分のピックの後、残ったカードを左隣のプレイヤーに回す。

第2ラウンド
2パック目の17枚のドラフト。第1ラウンドとは逆回しになり、ピックの後は右隣のプレイヤーに回す。

第3ラウンド
3パック目の17枚のドラフト。再び第1ラウンドと同じ回り方になり、ピックの後は左隣のプレイヤーに回す。第3ラウンドが終わるとピック終了となる。

初手
各ラウンド最初のピック。

上家 (かみちゃ)
元は麻雀用語で、自分より先に手番を迎えるプレイヤーを意味する。ドラフトでは自分より先にピックする人を意味し、第1ラウンド・第3ラウンドでは右側、第2ラウンドでは左側のプレイヤーのことを指す。

下家 (しもちゃ)
同じく麻雀用語で、上家の逆。第1ラウンド・第3ラウンドでは左側、第2ラウンドでは右側のプレイヤーのことを指す。

それでは本題に入ります。

第1ラウンド初手は最強のカードを取る

最初に開けたパックで取るべきカードは、単純にその中で最強のカードです。同じくらい強いカードが複数あった場合は好みで決めて構いませんが、クリーチャーかクリーチャー以外かで迷ったならクリーチャーを選ぶことをオススメします。

純粋な性能だけでなく、ブックに何枚入れられるかが変わるレア度や、領地コストが必要かどうかも判断の基準となります。いくら強くても領地コスト持ちのクリーチャーばかりブックに入れていては、序盤の土地争いに負けてしまいます。

四属性のいずれかのクリーチャーで、領地コストがなく、HPが高いクリーチャーがいたら積極的に選びます。最終的にゲームに勝つには複数の高額領地を維持した状態でゴールする必要がありますから、領地を安心して任せられるクリーチャーを確保していきましょう。

2手目は回ってきた属性を取る

各パックのクリーチャー枚数は9〜10枚で、それぞれの属性が均等に入っていますから、上家がどんなピックをしても、2手目のピックには四属性のうち2〜4種類、2枚入っている属性があります。その属性は「隣と被ってない属性」になるので、狙い目です。

あなたが最初に四属性いずれかのクリーチャーを取ったとして、その属性と上家が取ってない属性が同じなら、2手目はぜひその属性のカードを、多少弱くても取りましょう。

残念ながらあなたの初手と上家の初手が被っていたり、被っているかどうか判断がつかない場合は、単純にパックの中で最強のカードを選びます。ただし上家はあなたが今ピックするカードより強いカードを初手でピックしているのだ、ということは忘れないように。

3手目でメイン属性を意識

3手目も2手目に似た考え方で、上家とその隣が2人とも取らなかったカードが回ってきます。四属性のうち最低1種類は2枚入っている属性がありますので、それが狙い目になります。自分より上家側の連続する2人が選んでない属性は、今後も回ってくる可能性が高いからです。もしその属性が初手や2手目と同じなら、ブックのメイン属性の最有力候補となります。

ちなみにあなたが初手や2手目で選んだ属性は、第1ラウンドで回ってきやすいだけでなく、第2ラウンドに入ってからも回ってきやすくなります。なぜならドラフトの序盤、あなたの下家は毎回あなたが残したカードからピックしていくことになるので、第1ラウンドであなたが取っていない属性を選ぶ可能性が高く、回りが逆になる第2ラウンドで回ってきやすくなるからです。

ひとつの属性のクリーチャーを多めに揃えることができれば、そのクリーチャーの性能が多少悪くても、ブック全体の機能率が上がりますので強いブックを作りやすくなります。またドラフト終盤に特定属性のみ有効に使えるカード (地形変化スペル、属性盾など) が回ってくる可能性が少し上がりますので、両隣がどんなピックをするのか意識しながらドラフトを進めていきましょう。

第1ラウンドの中盤以降はサブ属性を検討

ドラフトがはじまって何度かピックが終わると、回ってくるパックは自然と誰も選びたがらないカードばかりになっていきます。しかしここが踏ん張りどころです。漫然とピックを続けるのでなく、できるだけ情報を読み取る努力をしましょう。

ここでもやはり重要なのは属性の偏りです。どんな属性が多めに回ってくるか、逆に回ってこない属性はどれなのか、きちんと意識しましょう。そして多めに回ってくる属性がはっきりしているならば、メイン属性あるいは2つめの属性として積極的にピックしていきましょう。

また、あなたのピックは下家への「火属性は俺が取るから取るなよ」といったメッセージとなります。下家はあなたが取った属性を取りにくくなりますので、それ以外の属性に走ることになり、第2ラウンド以降もその属性が回ってきやすくなります。

第2ラウンドの初手は再び最強カードをピック

2パック目の初手は、単純にパック最強のカードを選んで構いません。たとえそれが第1ラウンドであなたが選んだ属性と違う属性だったとしても、第2ラウンドであればまだ軌道修正は可能です。

ただし第1ラウンドでメイン属性がはっきり決まっていて、その属性のそこそこ優秀なカードと、メイン属性とは違う最強クラスのカードが第2ラウンドの初手候補に共存していた場合、悩ましいことになります。自分の属性の安定度を上げるという効果だけでなく、右隣のプレイヤーの属性を誘導する効果があるからです。

自分が火属性をメインにしていて、第2ラウンド初手にあったアンダインを見送ったとしましょう。そのパックを送られた右隣は、あなたが水属性を選んでいないことを知り、このあとも水属性が多めに流れてくることを期待して水属性をメインまたはサブの属性に選ぶでしょう。すると後ほど第3ラウンドに入ったとき、再度あなたの上家になった右隣のプレイヤーは水属性を優先的に選び、あなたのメインである火属性が流れてきやすくなります。

ただし流してしまうカードが強すぎる場合、右隣のプレイヤーを強くしすぎてしまいます。第2ラウンドがまだ軌道修正が可能なタイミングなのは、右隣のプレイヤーにとっても同じことです。流した属性が右隣のメイン属性と違っていても軌道修正されてしまう可能性が高いですし、それで強くなりすぎることが想定されるなら、自分自身が軌道修正して自分で最強カードを使うほうが良いでしょう。

第2ラウンド序盤はここまでの流れを確認

あなたの左隣のプレイヤーは、第1ラウンドであなたが流したパックからピックしていますから、あなたと違う属性を選んでいる可能性が高いです。第2ラウンドの序盤は、実際にそうなっているかどうかをしっかり確認しましょう。

第2ラウンドの2〜4手目で回ってきたパックにあなたのメイン属性が少ない場合、かなりまずい事態になります。上家になった左隣、あるいはそのさらに左隣のプレイヤーが、あなたと属性被りしている可能性が高いからです。

属性被りしているということは、2つの可能性が考えられます。1つは左側のプレイヤーがあなたのメッセージを読み取ってくれなかったり、セオリーを無視したピックを行っていること。もう1つはあなたのメッセージを読み取って、かつセオリーを知っているのに、それでもなお無視するに値するほど良いカードを手にしていること。

たとえば左2つ隣のプレイヤーが第1ラウンドの初手でキングバランを取り、2手目でガスクラウドやケットシーが取れたなら、その後に火属性がほとんど流れてこなかったとしても火属性を諦めることはないでしょう。左2つ隣のさらに隣は火属性を選ばないでしょうから、第2ラウンド以降に挽回が期待できることになります。

隣やその隣がどんなカードをピックしたのか、どんな基準でドラフトを進めているのか、不確定な状況の中で推測するのは難しいのですが、これがドラフトの醍醐味です。流したカード、流さなかったカード、流れなかったカード。短時間でピックを行うカルドラフトで全てを考え抜くのは困難ですが、少しでも勝率を上げるために力を尽くしましょう。

第3ラウンドは最強より最適

第2ラウンドが終わって第3ラウンドに入ると、ここまでのピックを意識したカードを選ばざるを得ません。今までほとんど取っていない属性に変更するには、第3ラウンドは遅すぎます。

3パック目を開けたときに選ぶべきカードは、単体として最強のカードを選ぶのでなく、これまでピックしてきたカードと相性の良いカードや、これまでのピックで欠けていたパーツを埋めることです。

メイン属性のクリーチャーがしっかり取れているならアイテムやスペルの質を上げましょう。他のカードは取れているのに防具が1枚もないなら、防具を優先的に選びます。走り向きのカードばかり揃っていて干渉要素がないなら、侵略向きのクリーチャー、武器、妨害スペルなどを選びましょう。

協調とカット

最後にカルドラフトにおける協調戦略と、カットについて。

カルドラフトでは「1人勝ち」を目指すのは困難ですが、やり方によっては簡単に「1人負け」になってしまいます。自分だけが勝つより、周囲と協調することを目指しましょう。そのためには両隣のプレイヤーが何を考え、何を取ったか意識し、ピックによって (というか、残すカードによって) メッセージを発信して、被りを少なくしていく必要があります。

また余程のことが無い限り、カードのカット (使う予定はないけど、相手に取られないように自分がピックすること) は必要ありません。

カルドは多人数戦なので、多くの相手に刺さるカードなら別の相手に使われる可能性もありますし、あなただけに刺さる対象の狭いカードなら、そもそもブックに入れてこない可能性があります。使うつもりがないカードをピックすることで自分のブックの質を下げるくらいなら、少しでも自分のブックを高めるカードを選ぶべきです。

 

今回はここまで。次の記事:カルドラフトの戦い方 (4) サンプルドラフト

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