カルドブログ

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 精霊戦争に参加の皆様、お疲れ様でした。いや〜、実に面白い趣向の対戦会でしたね!

 チェーンはやりなれたマップではありましたが、各属性にバラけて試合するなんて初めて。ブック構築段階からの読み合いあり、土地ランダムならではの土地の取り合いあり、強力なEカードを使った駆け引きあり。参加させていただいた全試合、非常に刺激的で楽しかったです。

 

 びっくりしたのが、自分の勝率。大会優勝者のゆきちゃんさん(脅威の4連勝! スゴイ!)には遠く及ばないものの、いつのまにか直近の試合の勝率が5割に届こうかというところまでいってました。セプター人生初めての好成績っぷりにドギマギ。う〜ん、一体何が起きているのか?

 

 

 振り返って みるに、単純にダイスがよかったとかドローに助けられたとか、幸運によるところが大きいのですが、その幸運を呼び込むために気をつけてプレイしていたことがあったなぁ、と思い記事にしてみることにしました。

 ちょうど、ひろよしさんが書かれた記事と被ってくるのですが……一言で言えば、「やりたいことを我慢して様子見プレイをする」ということです。

 

(長文面倒な方は、結論だけ末尾に載せましたよ〜。 )

 

理想/現実

 カルドセプトにおいて最も効率的で理想的なプレイとは何か。なるべくディスカードをせず、なるべく毎ターン効果的にスペルを使用し 、なるべく安いクリーチャーをばらまき、なるべく無駄な戦闘をしない、というのが解になると思われます。

 まぁ多人数対戦でそんな高効率なプレイをしていたら当然序盤から抜きん出てしまうので、他プレイヤーから袋叩きにあって現実の厳しさを噛み締めることになってしまうでしょうけどもね。できるものならそうした方がいい、でもできないから、ディスカードを織り込んだ上でドロースペルを多数ブックに仕込んでカードの機能率を引き上げたり、一発逆転できるスペルを入れてみたり、コストが高くても攻守に信頼のおける大型クリーチャーを使ったり、削り侵略やら空侵略で自分が損をしてでも相手を消耗させるプレイングをしてみたりと、色々工夫してみるわけです。

 自分はもともと目標魔力から逆算して達成モデルを作る(例:4連鎖Lv5二つで達成できる!)ようなタイプではありません。なるべくディスカードはせず効率的に周回を重ね、早めに土地上げして通行料狙いつつ、このへんのレベルを上げたらなんとなく達成できそう……という感覚に頼ってプレイしています。

 足を引けば即使いたいし、空き地に止まればクリーチャーをすぐ置きたいし、上げれる土地はさっさと上げたい。「もしあの土地に止まったら」と思い悩んでカードを抱え込んでいると、ディスカードが増え魔力も伸び悩む。それは悪手だ、と理論上は言えます。しかし実際の盤上では、一見無駄にも思える「待ち」「様子見」のプレイが、その後の展開を大きく好転させることが意外と多いことが、これまた感覚的に掴めてきました。

  

 なんとなく環境分析

 特に今回の精霊戦争におけるチェーンではあえてディスカードを行い、高額地が目の前にある局面でも素ダイスを振るというプレイを意識的に行なっていました。主な理由は3つ。

 1.チェーンは分岐が多く、相手の意識外のところからワード直踏み侵略を決めやすくもあり、ワード8が強い分ワード嵌めも狙いやすい

 2.チェーンは高額地の踏みが発生しやすく、土地価値もばらけており高額地を作りやすい。ある程度の連鎖と手持ち魔力1000Gとマジブがあれば、どんな劣勢からでも逆転できる

 3.必ず属性がばらけるので連鎖を確保しやすく、2の条件が成立しやすい

 分岐が多いのに踏みが多く、通行料で試合が決まりやすいのに侵略が強いという、相反する要素がごそっと入っていますが――まさにこのところが、このマップの魅力だと私は思っています。三叉路が多く移動侵略がやりやすいため、展開次第では手札の消耗を強いられる。よって、侵略成功率が高くなる。しかし城周辺の安い土地を周回魔力で一気に上げたり、南砦付近の高額地をマジブで上げて通行料で逆転を狙うこともできる。

 しかも属性がばらけているなら、焦って連鎖確保せずとも狙いの土地(自分の属性の空き地)は終盤まで埋まらない、もしくは埋まっても容易に侵略できる環境にある可能性が高い。

 要するに後手有利、様子見がその後の利益に直結しやすい環境にあると言えるのではないか!

ということを、対戦中になんとなく感じていました。今改めて文章にしてみて「なるほど、あの感覚はそういうことだったか」と自分で納得している次第です。普段そんなにかっちり考えながらやってませんから。

 

 「待つ」ことは、つまりダイスに祈ったりドローに祈ったり、はたまた対戦相手同士の攻防で付け入る隙ができるのを狙ったり……運任せになってしまう部分がありますよね。「もしかして」に賭けて自分の手を遅らせることがどうしても好きになれないって人も多いと思います。共感しますが……カルドはそもそも運の要素が強いゲーム。ビステア引き撃ちで高HPの拠点が落とされたのも運だし、マジブ1がでてオワタのも運のせいだし、ヨシさんのダイスが2だったのも運です。運!

ただし、ちょっとしたプレイングで運を呼び込むことができるんです。 (※ 素ダイス除く)

 

キョロキョロのススメ

 昔、よく思っていたことがあります。

「マップの隅々やセプター情報を見て、時間制限切れちゃう人って何だろう?」

今、よく思うことがあります。

「みんな、なんでマップやセプター情報をもっと見ないんだろう?」

 

 以前は時間切れなどほとんどせず、サクサクプレイしていましたが、最近は(対戦相手の方には非常に申し訳ないのですが)時間切れまでキョロキョロ情報を見ながら今後のプレイを考える、ということが増えました。

  時間切れしてしまった場合、プレイが中断され、がんばれば考えついたかもしれない最善の手のみならずパっと思いけた次善策まで実行できなくなってしまいます。まさに最悪!……と思う一方で、ギリギリまで考えぬいたことが次ラウンド以降に活かされることもある。何より、あちこち見回すことで気づかなかった逆転の目を見つけることだって少なくありません。それが千載一遇のチャンスとなれば、ディスカードを厭わず虎視眈々と必要な手札を持ち続ければいいし、相手にとっての逆転の目になるようならばそのチャンスを摘み取る為に持てる手札を切って行かねばならない。

 「もしかして」とか、「あわよくば」の状況を常に想定しながらカードを切る/残すの判断をする。言ってしまえば当たり前のことですが、つまりはマップ上の土地状況や未来予測の幅を「キョロキョロする」ことによってグワァ〜っと広げれば、「もしかして」「あわよくば」という幸運の未来を掴む確率がぐっと高くなるというわけです。 

 

 本当なら時間をかけず、パッと状況把握してババっとカードを切ってズダーって勝負をかけられたら一番いいんですけどー。私の頭の処理能力じゃ追いつかないんですよね〜。

  なので、もっぱら感覚に頼ってそのへんの機微を掴むように意識しています。自分のブック残り枚数から次に引きそうなカードを予想し、各自の手持ち魔力と進行方向、自分の進路上の自他のクリーチャーを見て数R中に起こりそうな状況を想像し、配置された各クリーチャーの戦術上の価値がどれぐらい上下してゆくのか想定する。文章に起こしたらメチャクチャ面倒くさいことを、一応毎ターン毎ラウンド毎にこなしています(勘で)。

  というのも、その昔このチェーンというマップで、ヤマトさんという超強いセプターさんに想定外の位置から、周回を無視する機動で高額領地にHW8でビタ止まりされ、落とされて逆転負けをしたという苦い経験あってのこと。あの時の侵略は実に鮮やかだった……!(支援付きLv4のグレンデルを、デコイの反射強打できっちり落とされちゃいました。手札にパワブレ持って慢心していたせいもありますが、眼から鱗ならぬ涙が出てくる凄い一手!) その経験が高勝率に効いているのだとすれば、敗北に学べるって素敵なことだなぁと思います。 

 見かけたところ、私ほどキョロキョロしてたのはボイラーズさんだけだったので……感想戦についての記事や動画配信など、セプターのプレイングに対する記事が増えてきたこともあり、私も文章にまとめた次第。

 各セプターごとに、プレイングにおける色々な持論があるでしょう。私に限らず、カルド薀蓄を縷々述べたい語りたがり書きたがりなセプターさんも結構いるとおもいます。これから関連記事や動画が増えていけばいいなぁ、と願いつつ筆を置くことにします。

 

 

まとめ 

森陽流プレイング術: 

 対戦中はキョロキョロして、チャンスが来そうならぐっと堪えて様子見しよう!

この記事への反応

  • SarutaniSarutani (2015年2月28日)

    そうだよ!
    私がちょくちょく時間切れでターン終了するのは入念に戦況を吟味した結果だよ!
    …という言い訳を皆に無理なく受け入れてもらうためにも、森陽さんのプレイング術がセプター勢へ深く浸透してもらいたいものです。

    真面目な話、数手先を読み切れるエキスパートな人はいざ知らず、目先の損得を勘定するにも精一杯な凡人セプターにとって、ランキングで一般化している30秒という持ち時間は結構カツカツではないかと思うのです。

  • 森陽ShinYoh (2015年2月28日)

    制限時間足りないですよね〜
    せめて40秒……できれば45秒くらいあれば。。。

    他の人がどんなことを考えながら、どこを見ながらプレイしてるのか超気になります。
    思考時間を短縮させるコツとかあるんですかね〜
    なるべく要点にフォーカスするようにはしているのですが、それでも足りない。

    ランキング戦で、ちょっとした見落としから逆転を許してしまう方もいらっしゃるので
    情報を見る習慣付けでをみんなやるようになれば、より質の高い対戦を楽しめるのではないか、と思います。
    うっかりセプターと言われていた私ですが、キョロキョロを続けたお陰でうっかりは減りました!(昔よりは)

  • JOSYUAJOSYUA (2015年3月1日)

    時間切れになるほど長考するってことは、それだけ場から考えさせられる要素を汲み取り、処理しようとされている証拠ですね。
    よく見渡すという行為も「見渡し」によって情報を得、プレイングに繋げるというテクニックであり、場の情報から何が分かるか、それが二手三手先のプレイングにどう影響していくのかを分かっていないと出来ない技術。

    ですので順番としてはプレイングの解説動画がもっと増えることで「巧い人はこういう情報からこんな予測や計算をして戦術を立てている」ってこと知ってもらえばウッカリさんも減って全体のレベルも上がっていくのかなと期待しております。

    長考は……慣れでしょうかねw 後半接戦になった時などは、私もまだまだ時間が足りないことが多いです。

  • cepcocepco (2015年3月1日)

    今作ではデフォの制限時間は40秒になっていますね。
    それでも、慣れたセプターであっても、難しい局面で時間が足りなくなることはありますよね。
    1試合に3回までとかで、「ちょっとタイム」機能とかあったら嬉しいです。

  • 森陽ShinYoh (2015年3月1日)

    >ヨシュアさん

    勝負論の本が好きで、羽生善治さんの新書『直感力』の中に

     《直感とは経験の集積である。経験に裏打ちされた直感は、解に至る複雑な思考を跳躍して正しい結論に着地する》

    というようなことが書いてあったことが、ずっと印象に残っています。

    カルドにおいても、さっとひと通り全体を眺め渡して、直感的にリズムよくプレイするのが理想かなと思っています。
    マップのある地点を執拗に確認したり、しきりに自分のブックの残り枚数をチェックしていると
    何を狙っているかバレることもありそうですから(苦笑)

    ただ、凡人はなかなかその域に達せられないので
    小まめに情報を見て二手三手先を考え続ける。大切です。

     >プレイングの解説動画がもっと増えることで「巧い人はこういう情報からこんな予測や計算をして戦術を立てている」ってこと知ってもらえば

    ですよね! 初心者向けのプレイ動画や第三者同士の対戦の解説動画はありましたが、
    対人戦で自分が1ターンごとに何を考えてプレイしているのかの解説動画は見当たりませんでした。
    他力本願ではありますが、そういう動画が増えてほしい。
    そうすれば、多くのセプターの勉強にもいい刺激にもなるだろうにな、と切に願います。

    >セプコさん

    40秒でしたか〜。短く感じちゃうな〜。
    相手のターン中もずっと考え続けているんですけど……思考に没頭すると時間間隔がマヒしてしまう、アレでしょうか。

    「ちょっとタイム」、超欲しいです!

    プロの将棋の世界とかのように、持ち時間制のルールがあってもいいですよね(大会では特に)。
    ルール設定の中に、回数制限の持ち時間を作るって、できるようになればいいなぁ。