カルドブログ

だれでも書ける みんなで作る カルドセプトのブログ★

トップページ » 森陽 » ここがヘンだよリボルト

ここがヘンだよリボルト (2016年12月23日)

2016年も残すところあと僅かになりましたね。

早いもので、本年7月7日に最新作『カルドセプトリボルト』が発売されてから半年が過ぎようとしております。

今作については、発売前からゲームスピードの向上を標榜し、カードバランスのみならずゲームシステムにも様々なテコ入れがなされることが発表されていました。完全新作ながら、悪名高いカルドセプトサーガのデザインを下敷きにしているということもあり、一部では不安の声も囁かれておりましたが――いざ発売されてみれば評判は上々。

快適な操作性は言うに及ばず、周回方法の大幅な変更や手札のディスカードをターン終了時に変更したことが、カルドセプトの根幹部分の戦略性をうまく活かしているように思われます。

ですが!

・やはり、ここはどうしても納得がいかない!

・この仕様はおかしいんじゃないかなぁ〜っ!

・なんでこんなシステムにしてしまったんや!

等々の不満点……みなさん、お有りなのではないでしょうか?

少なくとも私は山ほどあります。

 

というわけで、そんなカルドセプトリボルトに関する不満点を年を越す前にここで全て吐き出してしまおうと思いました。あくまで個人的見解を元にしたダメ出しになりますので、感情的で的外れな部分も多々あるかと思いますが、年忘れのチラ裏記事としてご笑読いただければ幸いです。

 

1.考える時間はください 〜ゲスの極み制限時間〜

もうホントこれだけはハッキリ言わせてください。

リボルトの制限時間システムだけはどう考えても大失敗! 改悪です!

他の戦略ゲームと比べても、カルドセプトはボードゲームとカードゲームの要素があり、しかも多人数対戦で勝敗を競い合うもの。カードドロー、盤面の配置、相手の手札、世界呪いや秘術の数々……考えることはしこたまありますし、難しい試合になるとドロー1回、ダイス1回ごとに戦術を大きく練り直す作業をしなければならなくなります。序盤はぽんぽん進んでも、終盤はどうしても時間をかけて手順を吟味しなければならない。

それなのにリボルトのシステムは、時間がきたら即AIによる強制操作が入ってしまうという辛辣さ。

おまけにディスカードも自動選択されてしまうという非道っぷり。

この機能のせいで切り札を捨てられてしまい、落とした試合は数知れず。相手が制限時間にひっかかり、逆転されるはずの試合をあっさり拾ってしまったこともしばしば。

何が言いたいかというと、この時間制限システムのせいでゲームの質が大幅に低下してしまっているということです。

なんで今までどおり、制限時間過ぎたらディスカードくらいは選ばせてくれるシステムにしなかったんだろう……ゲームスピードのためにゲーム性を犠牲にするなんて、本末転倒だろォ……!!

しかもゲスいことに、制限時間のカウントって、残り5秒になるまで大して変わらないんですよね(一応、残り15秒で秒読み表示の文字色がひっそりと赤になります)。マップ移動やら使用カードの指定・指定解除の時間もシームレスにカウントされるのに残り5秒で操作なんてできるかっ!

結局、制限時間にひっかかって強制操作でゲームを壊されるくらいなら、思考深度の浅い立ち回りのほうがマシ、と思うようになりました。結果的に、リボルトはこれまでのカルドに比べて(互いに)ミスが多い/ミスを許容しなければならないゲームになってしまったな、と感じます。

自分の思考速度が足らないことが悪い、とは思いながらも、相手の手札いつでも確認できるよう配慮するくらいなら制限時間にも配慮するのが当然じゃないかと。キツい言い方をすれば、この仕様って記憶力に難のあるセプターを助けて、決断力に難のあるセプターを切り捨てているわけですから。サポートしてくれるんならどっちもサポートしてくれよぉって、文句の一つも言いたいわけです。

 

2.ラウンド数削るんならブック枚数も削ろ? 〜不用意な運ゲー化にNO!〜

ランキング等、ネット対戦はすっかり30Rがデフォになりましたね。

今までのカルドはずっと40Rが基本でしたが、ラウンドゲインやダイス最大値増加などのお陰でしょうか、30R以内で達成という試合も多く、これはこれでなかなかいい調整なのかもしれないと思います。ただしブック枚数、テメーはダメだ。

なんで30R以内で試合終わんのにブック50枚もあんだよ! ドローカードなけりゃ30R時点でブックに16枚も眠ってることになるじゃねーか!

……こんなことがありました。

「カードを引けないのはブック構築が悪い。ドロースペルをきちんと積もう。」

こうして、ドローカード総計10枚強というやりすぎブックが生まれたわけですが、結果、4枚入りのキーカードをブック残り7枚になるまでにたった1枚しか引けず、惨敗しました。そしてこう思いました。

「カードを引けないのはゲーム(システム)が悪い。あと私の運が悪い。

ブック一周、というシステムはカルドセプトの長所と私は捉えています。今でこそブックからカードを50枚引ききって一周するなどめったに見られなくなりましたが(30Rで一周するってよっぽど頑張ってカード引かないと無理ですから)、かつてはリンカネ4積みがテンプレという時代もありましたし、強力・効果的なカードの使用回数をブック一周によって増やす、という戦術も一般的でした。

その他にも、ドローカードを入れるのは終了ラウンドまでにカードを引き逃すのを防止するといった役割もあったと思います。どんな強力なカードも、ブックの底に残ったまま引けなければ意味がない。ブック枚数と制限ラウンドの差があればあるほど、ドロー格差が増大してしまうのです。必要なカードを必要な時にドローできたセプター=ドロー運のあるセプターが有利になる。ゲームにおける運の割合が大きくなる。

本来、それを緩和することができるドローカードですが、運のない人はドローカードをドローできないという喜劇的な状況に陥ってしまいやすくなるのです。だからといって、引きたいカードを遮二無二4積みしてしまうと、序盤そのカードばっかり引いて他のクリーチャーやアイテムがバランスよく来ないというブック事故の発生確率も高まってしまう。少なくとも私はよくそうなります。

こうした問題の大部分は、ブック上限をラウンド数に合わせて再調整することで解決できます。

初手4枚+各ラウンド毎に1枚ドローしていけば、30R時点でのドローカード枚数は34枚。ドローカードを3〜4枚絡めれば、30Rまでに40枚ドロー=ブック一周が十分可能。つまり、制限ラウンドまでにブックに入れた全てのカードを引くことができる=ブックのポテンシャルを引き出したうえでの対戦ができる(確率が向上する)。結果、運ゲー感はかなり緩和されるでしょう。

その場合、ブックに積める一種類のカード枚数上限を調整は必要かもしれませんね。Nカードは4枚積めるけどRカードは2〜3枚しか積めない、とか。

ブック一周に関わらず、20R〜30Rで達成できてしまう早い展開にも、この調整は必須だと思います。(ブック上限調整については部分的とはいえサーガではあったのに、なんでリボルトでは全廃されたのかなぁ)

40R制限で50枚のブックというバランスから、なぜ30Rで40枚へと調整できなかったのか!

このギャップを利用して、全て安いカードで構成した徹底的な早上がり(10R〜15R)のブックやら戦術があればまた話は変わってくるけど、まぁないよなぁ……N縛りウェイストワールドブックもちょっと違うし。パワーカード1枚で試合がひっくり返ることが多いから、結局ドロー運で試合運びの優劣が決まるのは変わんないんだよなぁ……

 

3.なんで全国大会やらないんですか?

全国大会、やってよォォーー!やってよォォーー!やってよォォーー!

 

4.これ……バグですよね?

先日、ジェイルタワーのおまかせ(ブック)戦をやっていた時のこと。

中央の転送円から離れ小島へ飛ばされてしまいました。しかし私の手札にはおまかせブックに入っていたフォームポータルが。

「フフフ……こんな時のためにとっておいたのさ!」 当然のようにスペル発動!

――対象がありませんでした――

……What’s ?!

ド〜ナッテンノォ、セキニンシャ デテキナサイヨォ!(激怒)

フォームポータルってこんな時に使うスペルじゃないの? なんで離れ小島にいるだけで対象がありませんでしたっつって手札から消えてくれちゃってるの? お前スペルの中で一番高給取り(高コスト)のくせして顧客の一大事に「これ、仕様ですんで」の一言でトンズラこいてくれちゃってるの? 仕様の一言ですむ仕事じゃねーんだよ! フォ〜〜!!

こんな状況になったことは初めてで、心底びっくりしました。ちなみに対戦相手の方もビックリアイコン表示してました。ワォ。

……

こ、これはさすがにバグ、ですよね……?

お、大宮さーんこのバグとってくださーいオネガイシマス。

クリスマスにブリードパーツ配ってる場合じゃないですよ〜(泣)

 

5.細かいところ

  • 表示をもっとわかりやすく!

上記の制限時間の残り時間表示を筆頭に、細かい部分の表示がわかりにくい。

自アバターの進行方向表示などもそうですね。ちょっと見づらい。もっと色エフェクトや形状で差別化できなかったのかなぁ。

発売初期は特に、進行方向を逆に選択してしまう対戦相手が非常に多かったです。私も何回か間違いました。てへ。

  • ラウンドゲインのあとさき

現在、ターン開始時に入るラウンドゲインについて。このシステムは好意的な評価が多いですね。しかし反面、問題点を指摘する声も。

一つ厄介なのは、いわゆる「天然ラントラ」がやりにくくなったことでしょうか?

 

中~高額踏みを利用してのラントラの場合は、完全に規則的に収入が入るからちゃんと計算すればいいだけですが、手持ち魔力を少しずつ減らしていくやり方は難しくなったかもしれません。

勇者ドモボーイさんの記事「15、③ラウンドゲイン編」より

ドモさんが触れているとおり、天然ラントラが若干やりにくくなってしまいました。

天然ラントラを狙う場合、次ラウンドでどこかの領地レベルを○○Gで上げて残り○○G、そこから相手のLV1土地を踏めば云々と計算していくのですが、そこにラウンドゲイン分が上乗せされるだけでけっこう面倒です。ゲスの極み制限時間システムのせいで余計にそう思う。

ゲインをもらうならもらうで、もう少しタイミングとか……ずらせません?

 

また、別のセプターさんが「ラウンドゲインの影響でランドドレインが弱体化された」と発言されていました。

これはどういうことかというと、そもそもランドドレインの価値とは、相手の魔力を1〜2ケタに抑えて行動に制限をかけられる点にあったんです。相手のセプターを、カードも秘術も使えない、低い魔力にコントロールする。その戦術がラウンドゲインによって破綻させられた、と。

しかもすごいことに、相手の魔力をマイナスにしてもラウンドゲインで回復した状態で手番がスタートしてしまうんですよね(まぁそういう攻撃への救済の意味も込めたシステムなのだろうから当然ですが)。

このラウンドゲイン、ターン開始時じゃなくてターン終了時に入るようにすれば、けっこうゲーム環境変わってくると思うんですよ。そうすればターン開始時に魔力を1Gでもマイナスにできれば土地売りを強要できるので、ランドドレインの価値も多少は上がるのではないでしょうか。それにターン終了時にゲインをもらった方が、通行料払ってアイテム代金足りなくなった〜、という状況への救済にもなりますよね。

ある攻撃への救済措置が手厚すぎて、ラウンドドレインやスピードペナルティなど、希少な魔力マイナス化も可能な攻撃スペルの価値が激減しているような気がします。まぁこのあたりの感じ方には個人差あるでしょうね。みなさんはどうですか?

  • 毎度のことながら

Amazonなど、リボルトに対するレビューは概ね好評ですが、やはり今作もダイスに触れたものが結構多いですね。

いくつかのマップでは左右のゲートの位置をずらして、少しでも配置がしやすいよう配慮の後が見えますし。ダイス運ないなぁという自覚のある方は移動系スペルを積もうとか、マジカルリープがあるじゃんとか、まぁ一応対策は打てるんでしょうけれど。

それでも私も、今回はダイスの運ゲー感が加速しているように感じます。

ダイス最大値が上がったせいか、ダイスが伸びすぎて特殊地形を踏んだり、離れた自クリーチャーの上に止まったり、というのがとにかく多いんですよね。で、試合展開が早い分、序盤にこうしたダイス差から出遅れてしまうと追いつくのが大変=運ゲーじゃん、となると。

もうちょっとこう、このあたりの救済ができないかなぁ。周回時、土地が1個もない状態なら空き地限定で配置が可能、というような簡易司令塔的なものとか。

なんにせよ、ダイスを増やせば場が加速するし土地も取りやすくなる、とは限らないんだなぁという感想を抱いた次第。

  • あいつとかこいつ

マッドハーレクインさんは先輩(1*)へのリスペクトが足りてませんね? 生け贄コスト追加ァ!

能力値もST10/HP20へ修正!

アイアンモンガーは能力値ST30/HP40くらいでいいだろ。それか、ブックにあるアイテムを「複製」して出す、くらい強化してヨシ!

フライはダイス2個増やして4つ振らすくらいしてもいいよね……。それか0×3なら18歩進めるようにするとか、HWかけられたらフライのダイス目全てその目で固定とか(HW8かけられたら全て0になり、18歩進めるとか)。もっと修正されるべき。

ティアマト&テュポーンはSTかHPかどっちか自重しよ?

  • 復権希望

マッドハーレクインが跋扈する環境なら……いまなら、ソリチュード(2*)の出番では?! 世界呪いデビューしちゃってもいいのでは?!

ソリチュードワールド……一人きりのクリスマス・イヴ……うっ頭が

  • ブリード

ネット対戦はそろそろブリード禁止ルールを……特にランキング。

ランキングはブリードNG、他はOKとか、もうちょっと差別化というか、住み分けをしてもいいのでは。

 

 

〜おわりに〜

いやぁ、言いたいこと言ってスッキリしました。

10年ぶりの完全新作の売り込み通り、リボルトはカルドのゲームシステムに大胆にメスを入れ、そして挑戦的な大手術を成功させた快作だと思います。

だからこそ!

ここはダメ、って部分がフォーカスされちゃうんだよなぁと、まぁそういう愚痴を書かせていただいたわけです。もっともっと盛り上がって欲しいカルド界……しかし前作の時よりここで見かけるセプターさん減っているような……それが心配です。

今年の頭の方では、ネット対戦会でパンブックを作って喜んでいたのが我ながら懐かしい。前作発売後の、参加人数50人超の対戦会が毎月行われていたあの頃のような賑わいを、また!

 

ヨシさん主催の新春90000G対戦企画では、参加者のみなさんのリボルトへの評価・感想その他、自分なりのこだわりや対戦のコツなど、色々とお聞きできることでしょう。企画者様・参加者の皆様はホントに大変でしょうけれど、毎年とても楽しませていただいております。

来年も盛り上がれリボルト!

カルドセプトの更なる発展を念じつつ、皆様よいお年を〜

 

 

 

(1*)先輩=マッドクラウン:〈水属性〉水×1+生け贄コスト ST10/HP20 [応援]自クリーチャーのHP+10

(2*)ソリチュード[孤独]:セプター単体呪い;6ラウンドの間、対象セプターのクリーチャーは支援効果と応援効果を得られない

この記事への反応

  • レイピア (2016年12月24日)

    4のフォームポータルは多分バグではなくて仕様ですね。
    離島が橋で繋がっているマップ(モーフアローなど)は地続きとして歩数がカウントされますが、
    ジェイルタワーの内周のように転送円だけで繋がっているものは完全な離島とみなされます。(実はこのMAPだけ)

    制限時間の仕様変更は確かに困りますよね(´・ω・`)特に終盤の詰めで計算している時とか。
    ある程度には短縮になっているのでしょうが…

  • 森陽ShinYoh (2016年12月24日)

    コメントありがとうございます。

    やっぱりフォームポータルは仕様ですか……悲しいなぁ
    離島マップは確かに今作少ないですよね。記事の事件が発生するまでその仕様には全く気づきませんでした。
    ただ、こういう仕様にしてしまうと移動スペルはマジカルリープ一択、
    となってしまうのでそこ含めて残念。
    せっかく面白いカードが色々あるので、選択の幅を広げる調整をして欲しかったなぁ

    制限時間、気をつけているつもりですが未だに慣れません。
    あわてて操作してカード選択・決定しているのに、コンマ数秒遅れたせいでキャンセルされるってことが多すぎてムキー
    せめて、残り10秒になったらカウント表示が拡大されるとか、サウンドや音声でカウントが入るとか、もう少し配慮して欲しかったです。