【ウェンディゴ/民間伝承(北米)・クトゥルフ神話】
カナダ南部やアメリカ北部のネイティブアメリカンに伝わる恐るべき精霊。
吹雪の晩に風に乗って現れ、人を攫っていく。アメリカの作家O・ダーレスは
この精霊をクトゥルフ神話に取り込み、「イタカ」という神性を創造した。
『風に乗りて歩むもの』はダーレスの神話作品の中でも評価の高い部類に入る。
なおダーレスはかのアーカム・ハウス社の創始者でもある。
【ウロボロス/象徴】
特定の生物ではなく、古代から使われる象徴。意味するのは永遠・循環・ 完全・
死と再生といった概念である。なお「ウロボロス=無限」なので ∞の字になって
なければおかしいかというと、別にそんなことはない。
【ガルーダ/インド神話】
インド神話に登場する霊鳥。天界を襲撃して不老不死の霊薬アムリタを
奪取するが、最高神ヴィシュヌと取引し、不老不死を得る代わりに以後
ヴィシュヌの乗り物となることを誓った。仏教に取り込まれると八部衆の
一柱「迦楼羅(かるら)」となった。現在でもとても人気で彫刻の土産物も
多い。
【グリフォン/伝説の生物】
ヨーロッパで非常に古くから知られる伝説の生物。紋章のモチーフとしても
多く使用され、「知識」や「王家」を象徴する紋章として人気があった。
亜種に馬の下半身を持つヒポグリフがいる。
【グレムリン/都市伝説(イギリス)】
20世紀に入ってからイギリス空軍パイロットにて噂されはじめた妖精。
機械に悪戯をして調子を悪くさせてしまうメカニックの天敵で、原因不明で
機械が異常動作をすることをグレムリンエフェクトと呼ばれることも。
【ケツァルコアトル/アステカ神話】
アステカ神話の中心的存在である、人類に文明を授けた偉大なる文化神。
マヤ神話ではククルカンと呼ばれる。同じ創造神であるテトカポリトカの
謀略により支配者としての地位を追われ追放されるが、再び舞い戻り君臨
することを予言した。なお代々木公園にもケツァルコアトル像がある。
【ケンタウロス/ギリシア神話】
ギリシア神話に登場する半人半馬の種族。実在した異国の騎馬民族を 神話に
取り入れたものと言われる。不死の存在なのだが、それ故ヒドラの 毒矢を
誤って自分に刺してしまった際死ぬに死ねずもがき苦しんだ。
【サキュバス/夜魔(キリスト教)】
男性の夢の中に絶世の美女の姿で現れ、精気を吸い取るとされる夜魔。
本来の姿は非常に醜いとされる。男性版のインキュバスに比べれば害が無い
どころか羨まけしからんな設定からか、ハーレム系ラブコメにおける
押しかけ女房キャラの王道となった。
【スフィンクス/聖獣(ギリシア・エジプト等)】
ライオンの身体に人間の顔を持つ聖獣。エジプトの巨大なスフィンクスが
有名なのでエジプト神話だけに登場すると思いきや、ギリシア神話にも
しっかり登場する。特に謎かけをするという設定はギリシア神話のもの。
『ランナバウト2』ではこの中に超兵器が隠されていた。
【スレイプニル/北欧神話】
北欧神話の主神オーディンの愛馬として有名な八本足の軍馬。悪神ロキの
子でもあり、フェンリル・ヨルムンガンド・ヘルとは異母兄弟にあたる。
なお検索するとほとんどWEBブラウザの方が引っかかる。
【ダンピール/伝説の戦士(ロシア)】
人間と吸血鬼の混血児であり、本来不死である筈の吸血鬼を滅ぼす力を有する
ロシアの吸血鬼バスターズ。日本で最も有名なダンピールと言えば菊地秀行氏の
『吸血鬼ハンターD』のDであろう。また正確には混血とは少し違うが、映画
『ブレイド』の主人公ブレイドも似たような宿命を持つ。
【チョンチョン/民間伝承(チリ)】
チリに伝わる魔物。巨大な耳で飛行する人間の生首で、病魔の一種。
もう少し流し目をしたイラストであれば「野獣の眼光」認定されただろうに…
【テング/魔神(日本】
日本の山々に隠れ住むと言われる魔神。修験者に信仰されている。木端天狗や
烏天狗など能力や階級によって呼び名が違う。最強と言われる鞍馬寺の魔王尊は
なんと大魔王ルシファーと同一視されることも。あやややや。
【ナイキー/ギリシア神話】
ギリシア神話における勝利の女神ニケーのこと。サモトラケ島で発見された
首の無い有翼のニケー像が有名。スポーツ用具メーカー「ナイキ」の由来でも
ある。
【ぬえ/伝説の妖怪(日本)】
「鵺」と書く。『平家物語』等に登場するキメラ型の怪物で、夜ごと黒煙の
姿で現れ二条天皇を脅かしたが、源頼政により撃ち落とされた。死体は淀川を
流れ、打ち上げられた場所に鵺塚が立てられた。現在も大阪市都島区に
残っている。絶対領域がチャーミングな女の子こそが正体と信じてならない。
【ハーピー/ギリシア神話】
ギリシア神話に登場する鳥人。アエロー・オキュペテー・ケライノーの三姉妹で
構成されている。半分人間女性の姿をしているとはいえ、食べ散らかすわ糞を
まき散らすわで非常にえんがちょな害鳥である。
【ベールゼブブ/魔王(キリスト教)】
セプター間でも「魔王」と呼ばれる四属性の王の中で、名前・見た目に唯一
元ネタが確認されたカード。その正体はルシファーの右腕にして親友である
魔王ベルゼブブ。大元はオリエントの大いなる魔神だったがキリスト教から
例によって悪魔認定され、姿も蠅にされてしまった。新約聖書でも悪霊の王
という設定で、直接ではないが登場している。
【ペガサス/ギリシア神話】
ギリシア神話に登場する有翼の馬。天馬とも訳される。ペルセウスが
メドゥーサの首を切り落とした際流れた血から生まれた。後に昇天して
ペガサス座となったのだが「昇天ペガサスMIX盛り」はどう考えても
ユニコーンと勘違いしていると思われる。なお「ペガサス」と聞いて
「流星拳」か「ミーの勝ちデース!」のどちらを連想するかで年代が
まる分かりになってしまう(ちなみに私はペガサス・キッドを連想した)
【ミルメコレオ/フィクション】
ギリシアなどの文献に登場する、上半身がライオン・下半身が蟻という
摩訶不思議な合成生物。肉も草も食べることが出来ず飢えて死んでしまう。
【モスマン/UMA(アメリカ)】
最も有名なUMA(未確認動物)の一頭。アメリカはウェストバージニア州で
広く知られている有翼生物。2m以上ある巨体の割に飛行速度はきわめて速い。
アメリカにはネイティブ以外に神話が無いせいか、こういったUMAが多い。
【ヨーウィ/獣人(オーストラリア)】
オーストラリアに伝わる毛むくじゃらの巨人。かなり最近まで目撃情報が
あり、UMAの類なのかも知れない。なお「ヨーウィー」というUMAも先住民
アボリジニに伝わっているが、こちらはまったく容姿が異なる別物。
【レプラコーン/民間伝承(イギリス)】
イギリスに伝わる妖精。寝ている間に靴を作ってくれる童話で有名。
『聖戦士ダンバイン』にも同名のオーラバトラーが登場した。
【ワイバーン/紋章】
紋章として描かれる翼ある竜。攻撃的な紋章であり、軍事的な用途で
用いられる。『D&D』などによりモンスター化された。
BOMBEE (2012年10月3日)
すごい情報量です。
参考になりました。
ほとんど使われないクリーチャーたちもこの出展元を思い出して使ってみるようにします。
fira (2012年10月4日)
高校生の頃、同級生が 「D様〜D様〜(ハート)♪」と 薄い本を作って喜んでいましたが
まさかここで再会するとは……胸熱です
BOMBEE (2012年10月4日)
追加ですがガンジーはゲームブック バルサスの要塞が元ネタみたいです。
子供ながらに最初見たときはトラウマになりました。
JOSYUA (2012年10月6日)
>BOMBEEさん
おお、ゲームブックですか。またマニアックなところから拾ってきたものですねぇ。
こうしてここで書かなくても誰もが知ってるレベルの情報ばかりですが、参考になったのでしたら
嬉しい限りです。
>フィラさん
や…やっぱり、当時からそういう方々ってしっかりいらっしゃったんですねぇ…