代々木リボルトに出るに至るまでの機微について
たとえ遊びにおいてでも、やる気は有限である。楽しいからといって無限にやる気を投下し続けられる訳ではなし、新しいコンテンツは常に供給されている。一つのコンテンツにやる気を投下し続けられる環境は、珍しいものである。
私はカルドセプトダイスキと謳ってはいたものの、昨年度の代々木をノロウイルスで病欠して以来意気消沈して、あんまりカルドセプトをしていなかったように思う。カルドセプトDS時代の、無限のやる気は今は昔。子供の寝かしつけが終わるともう22時だし、そこからクソ長いゲームをする気力はなかなか沸かない。なにかに対して気力を振り絞っている自分は好きだし、その時間が楽しいことは知っているが、冷めてしまっていた。
そんな中、なんとなくぱんださんの仙台オフや代々木の開催っぷりだけは「すげーな」と思いながら眺めていた。毎月のように開催するマメさもそうだし、まあ、楽しそうなあの感じがネット越しにも伝わってきたし、1回参加してみたが予想通りいい雰囲気だった。
私は対戦人口が多い他のゲーム、例えばSplatoonなんかもプレイはするが、できれば顔が見える相手を倒すのが楽しい。画面の奥であいつがどういう顔をしているのかが想像できたほうが楽しいに決まっている。そういう面々が顔合わせる場所を作り続けてもらっていることに関しては、いま振り返ってみたら、とてもありがたいことだった。
今年のGWの代々木対戦会。俺はウェザリング部長はこの対戦会をきっかけで、今回の代々木リボルトの開催を思い立ったんじゃないかなあと思っている。いや、ホント知らんけど。俺にはそう見えた。
そんな部長が5月のカオスパレスの対戦会をやりますよというので、どれちょっと顔出すかと思って参加。そんで、決勝で、部長の高額を踏んで負けた。
まー、腹立った。基本的にカルドセプトに関しては意図的に自らを過信しているので、俺が負けるなんておかしい、絶対実力は俺のほうが上、などとフツフツと臓腑の底に火がつく感覚があった。いや、ぜってー俺のほうが上手いから。何、それで? このレギュで代々木やんの? はあ? やんのか? あん? ああん?
そうしたら、やっぱり対戦会に出たくなった。私のカルドセプトのモチベーションの原点って、代々木のあの部屋なんだよな。カルドセプトDSオフライン大会の代々木杯。あそこで決勝に出られなくて、ヤマトコールが鳴り響くのを聞いたのが、人生からカルドセプト谷に転げ落ちたきっかけだったと思う。あの激情をもう1回味わいたくなった。
そこからは早かった。とりあえず部長に「10月代々木でぶっ倒す。首洗って待ってろ」とDMし、有給を申請し、奥さんに土下座して、16bitsさんとこっきゅんさんに「俺代々木出るから出来うる&やりたい範囲で手伝って」と伝えた。ギラツキが戻ってきた感覚があった。なくしたとうつ向いていたよ長い間ずっと。
それが5月26日。そこから10月7日までのおよそ半年間は本当に楽しかった。
カオスパレスにアンカーのロジックを持ち込んで大コケしたり、石を買ったターンに即売りする練習をしたり、こっきゅんがロクに四則演算が出来ないから俺と16bitsさんが計算してあげたり、オブリタレートは我々にはほぼ効かないけれど場にあると楽だからセプターの皆にオブリタの強さを喧伝するべく積極的にオブリタブックで対戦することにしたり、バトルワゴンの棲み分けの影響力の大きさとアンコントローラブルなスイッチに絶望したり、カオスパレス用ブック使ってるこっきゅんがバトルワゴンで勝って「運ゲー」としか言わなくなったり、仲間内でだけで通じる『バキュン』『財テク』などと行った変な言い回しが流行ったり、16bitsさんが持ち込んだ水ブックのメッセージ性の高さに大はしゃぎしたり、スパイダーのスパーに殴りブック持ち込んでもメンツの走り性能が高すぎて全然殴れなかったり、ギフトをメタモするブックを持ち込んだら対戦相手のカイチさんがボーテ4ホープ4のブック持ち込んでて全然減速せずにフルボッコにされたり、メルさんがスパイダーで毎ターン12通りくらいの天然ラントラの可能性を検討してたり、配信勢のほうが比較的実力が高いから自分も配信したほうが強い相手に当たりにくくて有利なんじゃないかと検討したり、CPU戦になったときの準備をするために部長にCPUとブックを早く決めるようにとあの手この手でせっついたり、CPUは妨害スペルや魔法陣は土地番号順に撃つから土地番号を調べたり、CPUがクインテを撃ってくる基準を調べた結果総魔力が最も下がるセプターに打つのは間違いないがその結果他の土地の連鎖係数が下がることは計算に入れていない様子なので4連鎖レベ4と6連鎖レベ4であれば6連鎖レベ4にクインテを撃ってくることを確認したり、部長のことだから決勝戦は何を言ってもいいと言い出すに決まっているけれどまた一昨年の代々木みたいにhsuさんから「(ホーリーバニッシュを打つべきは)ヨシ君のアーチンアーチン!」とか言われたら激おこだから『決勝戦の対戦中におけるルールについて』を文章化していつでも部長を説得できるように準備したり、もう思いつくことは何でもやった。
何でもやった。思いつくこと何でもやった。何でもだ! クッソ楽しかった! 我々は、コレくらい代々木に突っ込んだ! 間違いなく52人の中で一番準備したのは我々だ!
妙な言い回しになるが、この二人には「界隈を作ってもらった」と感じている。ぱんださんが遊び場をずっとずっと丁寧に支え続けてくれたおかげで、部長がそこにクソでかい城を建てられた。幸運にも、私はそこに狂気をもって突撃することができた。カルドセプト界隈がいろんなものに支えられていたから出来た芸当だ。この狂ったような時間は、本当に楽しかった。カルドセプトDS、3DSの頃がおそらく最もカルドセプトをやっていた時期であり、今回突っ込んだ時間はその頃と比べると少ないだろう。ただ、今の俺が遊びに注ぎ込めるリソースは余すことなく突っ込めたと思う。よりカルドセプトの強い今の俺を作り上げられたと思う。
まあ結果としては予選は5戦3勝で決勝進出も逃してしまったし、甚だ遺憾ではあるけれど、そこに至るまでの過程はとにかく楽しかった旨をここに示しておく。
このテキストは、代々木杯主催者のウェザリング部長と、ほとんど主催みたいなものだったぱんださんに捧げます。あなた方のおかげで、私は充実した半年を過ごしました。ありがとうございました。また是非。次の狂騒を期待しています。
具体的なマップの攻略などはまた次のエントリーにて。