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0.はじめに

カルドセプトビギンズ、発売決定おめでとうございます!

3DS版はめちゃくちゃ遊んでいたのですが、リボルトはあんまりプレイできておりませんでした。10年ぶりにカルドセプトの新作が遊べることをとても嬉しく思っています。

新作では本名でプレイしようと思っています。どこかで対戦できたら嬉しいです。

久しぶりに過去作の色んなアーカイブ(対戦動画やレポート、ブック記録など)を興味深く読ませてもらっています。

私自身は殆ど自分の構築などについてオープンに書き記したことがなかったのですが、せっかく10年ぶりに新作が出るので、3DS版のROMに残っていたブックのうち、ある程度成果を得たと思えるものについて、2つほど紹介しておこうと思います。

1.「大地よ!」二心・7000G について

2014年2月のオフ大会「ソルティスロード」にて使用したブック。

当時、大会に向けてチーム検討をしており、この本はチーム内対戦で勝率40%ほど出していました(なお勝率はプレイング・対戦相手・メタゲーム等によっても左右されるので、イコール強いという話ではありません)。

これだけ勝っていたので、チームメンバー(こっきゅんさん、16bitsさん、ヨシさんら)からは高評価を受ける一方で、「わからん」「使える気がしない」「反社のブック」と言われ続けてきました。

そして私自身もなぜ勝っているのか、あまり言語化できていませんでした。

12年ぶりに考えたら色んなことが分かってきたので、そのあたりのことを書いてみます。

【ブックが用意している要素】

〇火・地の2色(+αの風)の多色援護ブック。状況に応じて火・地のどちらかにスイッチしながら達成系を作ることができる。配置で優位をとれれば5連鎖+サブ3連鎖なども可能

〇援護による安定したLV1戦闘。ST90~100をコンスタントに出すことができる

〇ゴールドグースによる現金調達

〇20R以降のショートカット周回・マジックブーストによる急加速

〇チャリオットによるスペルターンでの侵略・色切替え

〇バインドミストによる高額奪取(必殺技枠)

基本的な考え方としては「2色シフトで殴ったり捌いたり受け流したりしながら、マジックブーストを決めて勝つ本」です。ブック相性による有利不利をクッションしながら(どんな相手にも手広く対応した上で)、LV5マジックブーストで一気に加速して達成するために全体が設計されています。このブックの最重要カードはマジックブーストです。

【マップとの適合性】

このブックは「二心」用に設計されており、他マップ、たとえばチェーンではうまく機能しません。

二心のマップ上の特徴としては

○土地が28個あり、一人あたり平均7個の領地を確保できる(かつ、ほぼ全ての土地が周回を大きく歪めることなく、無理なく通れる位置にある)

○転送円を使ったショートカット周回ができる

○無属性土地が8個もあり、自力地変を交えた連鎖形成がしやすい

などが挙げられます。

「転送円によるショートカット」はある程度任意のタイミングで、現金調達と領地ボーナスによる加速を可能にします。

「無属性の100G土地」は自力地変による柔軟な連鎖調整(色の切り替え)を可能にします。

この2つの条件が揃っている二心でこそ成立する構築だと考えています。逆に言うと、他の多くのマップでは、単色本に効率負けしがちです。

なお設計としては全く別のブックにはなりますが、個々のパーツ(多色援護・チャリオットに複数の機能を持たせるなど)は他のマップで流用できる可能性があります。

【プレイングの指針】

1~2周目は多くの場合、外周(城の南側)から歩いて領地を確保します(初手ダイス6~7で火土地がとれるなら、火土地を優先します)。特に外周は中盤以降、高額土地が作られて素ダイスで歩けなくなりがちなので、その前に外周の配置を整えておく必要があります。

バルキリーを早めに行使できるようにしたいので、火土地1は優先的に確保しますが、12Rくらいまでは必ずしもメイン連鎖色を決める必要はありません。ST(コロッサス等)を積極的に行使しながら、外周と内周にクリーチャーを配置していきます。

3周目あたりから、メイン色を決めて連鎖形成に動きます。クリーチャーと土地の属性を合わせる必要は必ずしもありません。多くの場合、LV1土地は援護で維持(取返し)できます。

メイン色(主に火または地)を決める判断基準は「どの色で連鎖を組んだら勝てる可能性が高いか」です。ゲームの目標は勝つことなので、必ずしも「決める時までに最も連鎖の多い色」である必要はありません。終盤に4~5連鎖を安定して組めそうな色であればOKです。

「明らかな事実」(資産状況、盤面配置、4人の手札、これまでにドローされたカード)

「今後の推測」(誰が何Rで最速達成しそうか、場のSTはどの程度出そうか、どんなカードが今後提示されそうか等)

によって判断することが求められます。

1~2周目で決める必要がないのは、判断材料が十分に出揃っていないからです。

3周目で決める必要があるのは、ゲーム終了に間に合わなくなるからです。

順調に領地をとれていれば、ショートカットによる魔力調達と、配置数の優位によって、マジックブーストを撃てる機会が一般的な本よりも増えているはずです。

盤面によっては色の合っていないクリーチャーをLV5にすることも可能です(そうせざるを得ないタイミングもあります)。グレムリンアムルが場になければ、カウンターシールドと援護である程度守れます。

100G土地をマジックブーストでLV5にする等、内周の増資を絡めて達成ラインに持ち込みます。

達成に向かう準備が整わない場合、侵略によってゲームの終了Rを後ろに倒す(間に合わせるための時間を稼ぐ)ことが多くの場合は有効です。ただし、このブックのピークタイム(最も達成アクションに向かいやすい時間帯)は25R~30R前後です。40R勝負になると息切れしたり踏み決着で負けたりします。

セフトはマジックブースト、足スペルを奪うために使うことが多いですが、自分にとって危険なスペルを切るために使わざるを得ない場合もあります。

【構築上の弱点】

〇普通に走ると遅い

20R台前半で決着するようなゲームでは、多くの場合効率負けします。最速達成Rが早くなることが予想される場合には、積極的に侵略して場を遅らせる、あるいはコロッサスを使わず魔力を確保するなどの対応が必要となります。

〇LV3~LV4を踏まされると非常に厳しい

クリーチャーコストが重い、序中盤のクリーチャー行使要求が高い、増資が遅れがち(トランス加速できない)、土地を売りたくない等がその理由です。踏まないように動くことは通常のブックよりも高く求められます。

〇援護に全振りしているため、一部のカードに著しく弱い

ネガ呪いやハンデスは、プレイング(ST行使・色シフト等)によってある程度捌くことができますが、致命的なカードはいくつかあります(ティラニー・テンペスト・イビルブラスト・グレムリンアムル・スティンクボトル等)。これらのカードが場にある場合は、セフト2・リフォーム1で対処を試みます。

〇ドロー手段が貧弱

ドロー手段はファインド2のみです。最も引く可能性の高いクリーチャーが4枚採用のコロッサスなので、ドロー順によっては序盤著しく遅れる可能性があります。今すぐ必要なカードを調達する手段も乏しいです。クリーチャーやゴールドグースを効率的に行使できない場合、ファインド自体が手札を圧迫することがあります。場合によってはコロッサスを素置きする、STを行使して場を遅らせながら必要なカードを待つ、セフトで調達するなどの対応が求められます。

【水クリーチャーが採用されていない理由】

ブラッドプリン・Gイール等の水クリーチャーをこの本では採用していません。その理由は以下の通りです。

〇プレイング難易度が上がる(4色採用となると手順の組み立てが一層複雑になる)

〇4色で構える必要が薄い(2色+αで大半の戦況に対応できる)

〇水で連鎖組むのがベストという状況が起こりにくい(当時のメタゲームで水ブックがいない対戦は少なかった・水本を相手に援護で制圧するのが困難・グレンデルに狙われやすくなる等)

〇ブラッドプリンはMHPを侵略で増やさないと安定しない

【ナイトが1枚採用されている理由】

風土地に置いて増資できる、単体でSTが出せる、援護にもそれなりに使える、配置制限・アイテム制限・領地コストがない等が理由です。

【ブックを調整するなら】

基本的な設計フレームを保つことを前提とした上で、いくつか調整の候補はあります。

〇マミー2⇒ドワーフ2(移動できる・グレンデルに強打されない・援護に使ってST30得られる)

〇ウッドフォーク1⇒セージ1(グレアム耐性あり。ただしグレンデルに強打される)

〇セフト1⇒マジックブースト1(達成プランにおいてマジックブースト依存度が高いため、枚数を増やすのはあり)

 

2.「フューネラル」いかり・8000G について

【ブラスアイドルの好きなところ(いいところではない)】

〇一体置いて維持するだけで、ゲーム中にブックをほぼ一周させることができる(ブックに入れた全カードをゲームプランに組み込むことができる)

〇他人のドロースペルを使いにくくさせることができる(リンカネーションを除く)

〇場の大量ドローを強制することによって、全員のカードリソースを思考コストに変換させやすい(プレイング負荷を上げることができる)

〇ブラス場に不慣れなプレイヤー、不向きな構築を一方的に振り落としやすい

〇ほどよく光っている

3DS版の全カードの中でブラスアイドルが一番好きです。ブラス場の楽しさといったら、個人的にはたまらないものがあります。とはいえクリーチャー攻防が重視されるマップでは、そう簡単に生き残れないので、なかなか採用できません。その点、高速護符マップでは、多くの場合、クリーチャー戦闘よりも手順の最適化あるいはスペル攻防の方が優先されますので、ブラスアイドルを置いて守りきれる可能性は一気に上がります。

【このブックについて】

このブックでは、ブラスアイドルを配置しながら

〇レベルダウンスペルを安定的に確保し、かつ引き撃ちする

〇ドローコストをかけず、毎ターン増収・足スペルを撃つ

〇ランドドレインでゲイン収入を得つつ、魔力ロックする

〇防御アイテムを確保する

〇全員の大量ドローを強制し、プレイング負荷を増やす

といった形で優位性をとることを想定しています。

ちなみに「いかり」のショップにはバニシングレイが売られていますが、観察事実としては、ブラス場でショップに止まって、バニシングレイを購入して、次ラウンドにブラスアイドルに撃ち込まれることは、20戦以上して一度もありませんでした。なお(相手のブックに入っているかどうかはともかく)エレメンタルラスやテンペストが行使された場合、壊滅的な被害を受けます。

ブラスアイドル以外のクリーチャーについては、属性も含めて比較的自由度が高いので、他の色で組むこともできるかと思います。

【ブックを調整するなら】

マナ・ランドドレインを1~2枚ほどイクリプス・イビルブラスト・リベレーション・インフルエンスなどに差し替えるのも一案かと思います。

マップによってはコラプション・クインテッセンス等も採用候補になります。

1枚だけ差し替えるなら、マナ1⇒リベレーション1が最有力です。

 

3.カルドセプトビギンズの攻略について

人生におけるありとあらゆる局面がゲーミング化しつつある世界で、ゲームを「攻略」するということの意味は大切にされていいと思います。本気で遊ぶということは尊いものです。ただしそれは「私が攻略する」から意味があるのだと考えます。

「ゲーマーとしての自由を獲得するために、ハンドルネームを使い分ける」というのはもちろん理解しますが、「匿名でプレイするのが当たり前」という別種の不自由な文化に荷担しているという面もあると思っています。私は私であることに自由でありたい。

「目立つことは損失であり、うまく身を隠すことが、ゲーム上の勝利に貢献しやすい」というカルドセプトの経験哲学と、90年代から続くネットコミュニケーションの慣習が相似関係にあることは、私個人にとってはあまり嬉しくないことです。

ともあれ、ゲームをどのように遊ぶか(あるいは遊ばないか)は本質的に自由です。他の人の関わり方を否定するつもりは毛頭ありません。罵ることも(大雑把に言って法にふれなければ)自由です。

個人的な事情を鑑みるなら、「元々ハンドルネームで交流していた方と、商取引を含む交流が続いている」という事実も、私自身の在り方に影響しているところはあるでしょう。もちろんコンプライアンスの観点から、ゲームを遊ぶ中でお客様に不都合が発生するようなことはできる限り避けなければなりません。

カルドセプトにおいては、「ダイスとドローの不確定要素があり、自分以外のプレイヤーの手によって傾きが容易に形成されうるのに、争って1人の勝者を決める」ということの歪さを受け止める必要があります。つまり大前提として競技と呼ぶのは難しい側面があります。この点については、ポーカーの世界チャンピオンを多くの方がフラットに評価していないこと(コンシャスバイアス:自覚のある偏見)を例えに出しておきます。

とはいえ、技術介入度がきわめて高いゲームが「生まれやすいように働きかける」ことはもちろん可能であり、長期的な勝率などからプレイヤーの強さを推し量ることも可能です。

どちらかといえば、ルールの中で人と人が争って勝ち負けを決めることに、さほど魅力を感じていない自分がいるという話なのかもしれません。

カルドセプトの世界は美しいと感じますが、その美しさは私にとっては、人間の面白さが担保している部分がそれなりに大きいと感じています。

他の人の思考をコントロールすることはできないので、私にとって主観的に面白いゲームができればいいと思っています。
私にとっての「主観的に面白いゲーム」とは、以下のような条件を満たすものだと考えます。
◆他の対戦相手に対して敬意をもって接することができる
◆カルドセプト世界における気づきや発見がある
◆プレイヤー理解における気づきや発見がある
◆社会生活における気づきや発見がある

このゲームで一番面白い瞬間は、「カルドセプト世界の在り方」と「人間」を酒の肴に、対話っぽく議論っぽく哲学っぽく人生っぽく喋ったり考えたりする中にあると、個人的には思っています。「純粋なゲームの世界」というものは存在しません。嘘や偏見や不道徳の存在を受け止めた上で、それらが勝ち負けから切り離されたところでどのように表出されるか、そしてそのことがゲームの理解をどのように進めるかということが大切だと考えています。そのためには自己開示アプローチをとることが有効であり、その分かりやすい形の一つが「ハンドルネームを手放す」ということかなと思っています。

以上を踏まえて、「本名でプレイするのが今の私にとっては一番面白く遊べそうな気がする」という暫定的な結論に至っていますが、また考えを改めるところもあるかもしれません。

最後までお読みいただき、ありがとうございます。

カルドセプトの開発・運営に携わる関係者の皆様、そしてカルドセプトを愛する全ての方のご健勝・ご活躍を心よりお祈り申し上げます。

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