この記事の目的は「カルコロで多くの人に楽しんでもらえる大会を開催するには、どうすれば良いか」を考えることです。
大前提として「多くの人を楽しませる大会じゃなきゃ、開催しちゃダメだよ」と言いたいわけではありません。たとえ参加者が少なくても、気の合う人同士が楽しめる大会をどんどん気軽に開催してほしいです。
あくまでこの記事は「どうせやるなら人を集めたい、だけどどうすりゃいいの?」と思ってる人に向けて……というか、どちらかというと僕自身のために、グダグダ考えてみようかなーって感じで書いています。
大会データ
というわけで、まずはデータから。2014年以降にカルコロで開催された大会のデータを集計して「成立した対戦数÷開催日数」の数字が大きい順に並べてみました。
ワンデイトーナメント、途中参加できない大会、予選+決勝の決勝部分は除いています。また準備日数はカルコロに大会設定をしてから開催初日までの日数です。
大会名 | 主催者 | マップ | 対戦条件 | 集計方法 | 準備日数 | 開催日数 | 対戦数 | 戦/日 | 参加者数 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
双心魔術鑑 | アヴァ | 二心 | 標準 | 最良5連戦+AP | 19日 | 13日 | 230戦 | 17.69戦/日 | 79人 |
ソルティスの巡礼者たち | アヴァ | CHAN-PON | 標準 | 最良5連戦+AP | 30日 | 13日 | 204戦 | 15.69戦/日 | 74人 |
斬月のマサムネ | アヴァ | 変異手裏剣 | 一部E有 | 最良5連戦 | 35日 | 13日 | 199戦 | 15.31戦/日 | 76人 |
四神降臨 | ボイラーズ | ダムウッドの森 | ソルティス以外E有 | 最良5連戦 | 16日 | 8日 | 116戦 | 14.50戦/日 | 63人 |
イクシアの箱舟 | アヴァ | いかり | 一部E有 | 最良5連戦 | 40日 | 14日 | 180戦 | 12.86戦/日 | 62人 |
第三回騎士道杯 | アヴァ | チェーン | 標準 | 最良5連戦+AP | 78日 | 14日 | 171戦 | 12.21戦/日 | 70人 |
ソルティスロード3マップ | アヴァ | カザテガ 二心 CHAN-PON |
標準 | 最良5連戦 | 31日 | 14日 | 137戦 | 9.79戦/日 | 61人 |
どくだみコープ祭 | カイチ | カナリア | 同盟戦 | 対戦数 | 3日 | 8日 | 73戦 | 9.13戦/日 | 53人 |
滅ばずのアルケミスト | アヴァ | 錬金術師の館 | 一部E有 | 最良5連戦 | 36日 | 12日 | 86戦 | 7.17戦/日 | 51人 |
ソルタリア珍道中 第一部 | テッドロア | デュナン村 クレイトス2 |
標準 | 勝利数 | 31日 | 16日 | 63戦 | 3.94戦/日 | 42人 |
全知全能のラビド | たかぎ | ラビド村 | 標準 | ゼロサム | 0日 | 14日 | 32戦 | 2.29戦/日 | 34人 |
ランダムお気軽対戦会 | 外鴨なきく | ランダム | 土地シャッフル | 最良5連戦+AP | 7日 | 20日 | 45戦 | 2.25戦/日 | 38人 |
爆速カルセプGP | たかぎ | デュナン村 | 6000G 30R 20秒 | 最良5連戦 | 1日 | 8日 | 17戦 | 2.13戦/日 | 23人 |
ソルタリア珍道中 第二部 | テッドロア | ダーハン島 クアンゼの街 |
標準 | 勝利数 | 34日 | 14日 | 26戦 | 1.86戦/日 | 30人 |
第2回雪辱杯 | テッドロア | フェネック | 一部カード禁止 | 最良5連戦 | 8日 | 12日 | 22戦 | 1.83戦/日 | 39人 |
完全ランダム杯 | (・∀・)イイ!! | ランダム | 土地シャッフル | 最良5連戦 | 15日 | 14日 | 22戦 | 1.57戦/日 | 39人 |
第2回どくだみコープ祭 | カイチ | メビウス | 同盟戦 | 対戦数 | 6日 | 2日 | 3戦 | 1.50戦/日 | 9人 |
チェーン対戦会 | たかぎ | チェーン | 標準 | 最良5連戦 | 0日 | 8日 | 12戦 | 1.50戦/日 | 24人 |
新春「福男」決定戦! | ひろよし | まがたま | 達成R勝負 | 達成R勝負 | 4日 | 9日 | 12戦 | 1.33戦/日 | 14人 |
マリオネット杯 | ひろよし | 小円環 | AI同盟戦 | 最良5連戦 | 0日 | 5日 | 5戦 | 1.00戦/日 | 5人 |
チェーン練習場 | 外鴨なきく | チェーン | 標準 | 最良5連戦 | 5日 | 10日 | 9戦 | 0.90戦/日 | 19人 |
ジャンクション対戦会 | Rex | ジャンクション | 8000G 30秒 | 最良5連戦 | 3日 | 6日 | 4戦 | 0.67戦/日 | 13人 |
キャンディラップ対戦会 | 外鴨なきく | キャンディラップ | 標準 | 最良5連戦 | 1日 | 11日 | 5戦 | 0.45戦/日 | 9人 |
沼 | 外鴨なきく | ジャンクション | 総魔力勝負 | ポイント | 25日 | 7日 | 3戦 | 0.43戦/日 | 8人 |
低速カルセプGP | たかぎ | 変異手裏剣 | 8000G 50R 60秒 | 最良5連戦 | 1日 | 8日 | 1戦 | 0.13戦/日 | 4人 |
壊れカード禁止杯 | (・∀・)イイ!! | 二心 | 一部カード禁止 | 最良5連戦 | 11日 | 13日 | 1戦 | 0.08戦/日 | 4人 |
第1群:盛況グループ
個人的な感覚ですが「滅ばずのアルケミスト」と「ソルタリア珍道中 第一部」の間に、ひとつの境界が見えます。
このグループは1日あたりの対戦数が7試合を超えています。どの大会でも対戦が活発になるのは20時から24時くらいですが、1日7試合を超えるとこの時間帯に常に試合が行われ、同時に2試合以上が行われていることも多くなります。
いずれの大会も参加者数50名を超えており、盛況だったと言えるでしょう。
第2群:惜しいグループ
「ソルタリア珍道中 第一部」から「完全ランダム杯」までのグループは、1日あたりの対戦数が2試合を超えているか、もしくは全体の対戦数が20戦を超えるグループです。
多くは参加者数が30名前後で、それなりに楽しんでもらえていますが、もう少し何か手を打って、もっと盛況にすることができなかったのかなと思います。
第3群:閑古鳥グループ
繰り返しになりますが、少人数の大会だったからといって「開催しちゃダメ」とか「個性的な大会を開くな」とか言いたいわけではありません。この記事の意図があくまで「仮に人を集めたいと思っているならば、どんな手があるかな?」と考えるものですから、それに沿って考えているに過ぎません。
と言い訳したところでデータを見てみると「第2回どくだみコープ祭」以降のグループはすこし寂しい数字です。何か手がなかったか考えてみたいところです。
目指すべき数字とは
まず、盛況と呼べるグループの数字を分析してみます。
上にも書いた通り、1日あたりの対戦数が7試合を超えると、夜の主要時間帯にほとんど常に試合が行われていたり、時には同時に2試合以上が行われていることも多くなります。
また参加者数が50名を超えると、特に自由参加の予選の後に16名程度の決勝トーナメントを開催する場合、大きな意味が生じます。
参加者が50名くらいだと、だいたい1〜2割の参加者はピンポイント参加となります。残る40名程度が予選にしっかり参加してくれる人達だとして、決勝トーナメントに出る人の予選成績が全体の半分より上位であってほしいと考えるなら、決勝の日程が合わず棄権する人の発生率なども考えると、この位の参加人数は確保したいところです。
また予選は全参加者から5試合程度プレイしてもらうことを前提にした大会が多いので、40名が5試合プレイすると、最低50試合。実際にはピンポイント参加なども考えると6〜70試合くらいは成立してほしいところ。
というわけで、目指すべき数字は次のようになります。
参加者数50名以上、対戦数70試合以上 (1日平均5試合以上)
ちなみに1日5試合と見積もる場合、2週間ほどの開催期間が必要となります。
クリアライン
いっぽう「まずまず人が集まる」というレベルで良いとすれば、第2群をクリアすべきラインに起きましょうか。
結論から言えば、参加者数30名以上、対戦数30試合以上の「30人・30試合」をクリアすべきラインとして目指しつつ、できれば対戦数40試合以上の「30人・40試合」を目標としたいところです。
先ほどと同じ計算でいくと、30人中8割の24人が最低5試合プレイすると30試合。これにピンポイント参加を考慮すると、40試合程度行われるようにしたい、という数字です。
この場合、もし決勝戦をやるなら、4人戦なら決勝1試合、3人戦なら9名進出しての準決勝・決勝、同盟戦なら8名進出しての準決勝・決勝といったところでしょうか。4人戦で準決勝からやると、5試合程度プレイした人のほとんどが決勝進出ということになってしまうので、あまり予選の意味がなくなるように思えます。
カルコロを利用するセプター数
次にカルコロで遊んでくれているセプターを数えてみたところ、次のようになりました。
- 2014年1月1日〜2015年1月18日に対戦した人の数 : 235人
- 2014年9月1日〜2015年1月18日に対戦した人の数 : 124人
フレンドコードの種類を数えたので、途中でフレンドコードが変わった場合は重複して数えているのですが、おおよその数ということで考えてください。
過去3ヶ月半ほどの間に遊んでくれたセプターが全部で124人。
これも考える材料になりそうですね。
多くの人に楽しんでもらえる大会を開催するには
100人くらいの集団から最低30人、できれば50人くらいを継続的に引っ張りたいわけです。結構なリーチ率が必要ですね。とはいえ救いなのは「引っ張られる気がある」集団ということです。セプターたちは、面白いと分かればそれなりの確率で参加してくれます。
そこで大いに参考になるのがアヴァさんです。
圧倒的アヴァ率
身も蓋もないのですが、アヴァさんの大会には人が集まります。
アヴァさんは前作カルドセプトDS時代から多くの大会を開催してくださっているのですが、そんなアヴァさんでも、最初から全ての大会が大入り満員というわけではありませんでした。
長い時を経てアヴァさんが何に気をつけるようになったのか、そしてアヴァさんがこれまで何をしてきたかを考えることで、少しでも近づく方法を考えてみましょう。
準備期間と宣伝
盛況の大会を開くには、ある程度の準備期間があったほうが望ましいのではないでしょうか。
皆さんからしっかりとブックを作って参加してもらうには、告知して即開催、というのは避けるべきでしょう。また、大会が行われることを周知する宣伝期間をしっかり確保するにも、ある程度の日数は必要です。
カルコロに集うセプターの多くはTwitterを使っていますので、Twitterを積極的に活用しましょう。とはいえ全員がTwitterを使っているわけではないので、カルコロ自体にも早めに大会設定をしておいて、トップページに出てくるようにしておいたほうが良いでしょう。
大会の説明をしっかり書く
どんな大会なのか、どう楽しんで欲しいのか、皆さんに分かるように説明をしっかり書きましょう。大会設定に細かい説明を書いたり、自分のブログ等に記事を書いてリンクするなどしましょう。
ルールと集計方法だけ読んで「よし、参加しよう」と思ってもらうのは難しいですし、それが特殊ルールの大会ならなおさらです。「楽しそうだな」と思ってもらうことに失敗すると、なかなか人は集まりません。
あと、読む人のことを考えた説明がついてる大会は、参加者に対して「主催者がしっかり準備を重ねて、大会期間中もきちんと運営してくれそうだな」と安心感を与えてくれます。
参加者のテンションを上げる
参加してくれる人、参加しようかどうか迷っている人のテンションを上げましょう。
そこで重要なのは「名誉」と「雰囲気」かなと思います。なんだか凄そうな名前をつけたり、「気合い入ってるな」と思えるようなフレーバーをつけたりするのも、参加者のテンションを上げるためです。
とはいえ別に、アヴァさんチックにストーリーを書くのが必須というわけではありません。要するに「この大会で優勝するのは俺にとって名誉なことだ」「ここなら自分の実力を試すのに相応しい場だな」と思わせる何かがあれば良いのです。
時にはハッタリも必要です。それがハッタリでなければなお良し、なのですが。
開催期間中のサポート
大会開催中に誰かが卓を立てて人待ちしてるのを見つけたら、宣伝に協力してあげて待ち時間を短くするサポートをしたり、自分自身が参加したり、知り合いにも声をかけて対戦してもらったりしてみてはどうでしょうか。
アヴァさんや羽場さんなどは、よくこれをやっています。彼らは確かにネームバリューがあって、ただ大会を設定しておけば放っといてもそれなりに人が集まるんですが、それにあぐらをかいたりせずにコツコツ助け船を出してます。ものすごーく見習いたい部分です。
サポートといえば、質問・疑問・意見が来た時の対応も丁寧かつ平等です。そういう姿勢がとても大事。
テストプレイのススメ
必ずしも「人気マップでの対戦」「標準ルールでの対戦」ばかり需要があるわけではありません。発売から長い時間が経ち、新しい遊び方を欲しているセプターも少なからずいます。極端すぎるルールでなければ、うまく浸透させられる土壌が整いつつある昨今ではないかなと思います。
しかしどこにどんな需要があるかはなかなか掴みづらいので、変わった遊び方を思いついたなら、ぜひ誰かを誘ってテストプレイしてみることをオススメします。実際に遊んでみて意見を聞くのが一番手っ取り早いです。
もしそこで誰もテストプレイに付き合ってくれなかったら、その遊び方はそもそも需要がないか、あなたがその遊び方の魅力を伝えることに失敗しているか、どちらかです。だとしたらそのままぶっつけ本番を迎えても、おそらくうまくいきません。改善の余地を示すサインです。
それとテストプレイ後の感想で「1回なら面白いけど、何度も遊ぶ気にはならない」という感想を貰うこともあります。その場合、もしかすると1〜2週間にわたるリーグ戦より、1日で終わるトーナメントのほうが盛り上がるかもしれません。
大会に対する意見を募集するなら
Twitterなどで大会に対する意見を募集するとして、「こんな大会をやりたいな」とツイートして反応を見るという観測気球方式は、あまり良い手法ではありません。
セプターの皆さんは優しいので、わざわざ「その大会は面白くなさそうなんでダメだと思います」と面と向かって言ったりしません(する人もいますが)。反応が乏しいと発展性があまりないので、どうせ意見を募集するならストレートに「こういう大会をやりたいんですが、もっと面白くするために意見を貰えませんか」と頼んだほうが、意見が出るかもしれません。
広く意見を募集するのではなく、1人あるいは少数の人に頼んで相談する形のほうが良いケースもありますね。
実績を得る
とまあ色々書いてきたのですが、なんだかんだ言っても一番人集めに効くのは実績です。
いろいろ手を打ちながら実績を積んでいけば、クリアラインである「30人・30試合」を目指すのは、そう遠くないんじゃないかなと思うんですよね。最初からいきなり最大級の大会を大盛況に盛り上げるのは難しいですが、手抜きせずコツコツやれば、必ず見てくれる人はいるはずです。
それなりの規模の大会を何度か開催していけば、実績が乏しい状態よりも、変わったルールの大会を成功させやすくなります。この人のやる大会なら面白そうだ、という安心感があるからです。地道が一番ということですね。
まとめ
- 準備期間をしっかり設けて、宣伝にも力を入れましょう
- どんな大会なのか、どう楽しんで欲しいのか詳しく説明しましょう
- 参加者のテンションが上がるようなハッタリも時には必要かも
- 大会開催中には参加者への細かいサポートを忘れずに
- テストプレイして改善点を探りましょう
- どうしたら良い大会になるか意見を聞いてみましょう
- コツコツ地道に実績を積むのが一番効きます
特に最初の表で「惜しいグループ」に属する大会に、もうちょっとやり方を工夫すればもっと人が集まったんじゃないかなーと思うものが少なからずありました。皆さんいろいろ事情はあると思いますが……。
最後に
結局あんまり数字の話にならなかったな。後半は当たり前のことばかり書いてた気がします。うーん。
あとですね、自分でも大会やりたくなってきた気がしますが、まあ多分やりません。以上。
masoppu (2015年1月20日)
分析と考察お疲れ様です
人が少ないのは発売から時間がたってセプターがカルドから離れてるのも影響あるんじゃないかと思います
ニコ生でも参加者配信者ともに減少してますしね
しかしそれでもマップによって人が集まる集まらないがはっきりしているのでマップ選びに苦労したりします
具体的に言うと2心、チェーン、ジャンクション、あと時々カナリア
これ以外は人が全っ然来なかったりします
weathering (2015年1月22日)
人気マップとそうでないマップがあるのはある程度は仕方ないと思いますが、超人気のマップが数個だけあって、それ以外は漏れなく閑古鳥……というのは悲しいですね。
それなりに人が集まる、そこそこ人気のマップがいくつかあるような感じだと良いんですけどねー。